直線上に配置

客席放浪記

爆生!! お笑い in 川崎

2013年10月13日
川崎市教育文化会館

 去年の夏に、千葉まで『爆笑バトルライヴ』というのを観に行ったことがあるが、この『爆生!! お笑い』も、主催者こそ違うが、同じような企画で、どちらもシリーズとして続いているようだ。

 特徴としては、
・テレビ出演の多いお笑い芸人を中心に7〜8組の出演者。
・開催日は休日。
・午前と午後の一日二回興行。
・会場は東京都心より少し離れた都市、あるいは地方都市。
・ネタの持ち時間、一組につきそれぞれ15分程度。
・エンディングは出演者全員で、サインボール投げ。

 本日の出演者。
U字工事
AMEMIYA
エレファント・ジョン

ニッチェ
スギちゃん
東京03
ナイツ
サンドウイッチマン


 笑いを見せてくれるものなら、何でも行ってやろうと思っている私だが、客席を見渡していると、催し物によって明らかに客層が違う。都内の寄席は高齢者が多い。落語家の独演会やホール落語は落語好きで埋まっている。お笑い芸人のライヴは主に30代くらいまでの女性が90%以上占めている。演劇系コントは演劇青年中心。そしてこの『爆笑バトルライヴ』や『爆生!! お笑い』は、家族連れがほとんど。

 お客さんは、テレビで観たことのある芸人を観に集まってくる。だから、その見方もテレビの延長線上。家族や仲間内で来たお客さんは、まるで一緒にテレビを観ているのと同じ感覚なのだろう。芸人が登場すると、私のすぐ後ろの男性は、いちいち「本物だよー!」と声を上げる。テレビでしか見たことのない、それでいて親近感を感じているタレントがナマでその場にいるという事がうれしいらしい。ネタにいちいち反応して声を出す。「ウンコだって、きたねぇなぁ」「(ニッチェの)江上、でけぇ」「小錦に曙だって。みんな相撲取りじゃん。アハハハハ」 もうほとんどここは家庭のリビングルームと同じ。
 途中でトイレに立つ人も多い。これも家でテレビを観ているのと同じ感覚なのかもしれない。
 そういうお客さんをイジるのが上手かったのがサンドウイッチマン。これは寄席でも芸人がやることが多いが、サンドウイッチマンはこの客イジりが一枚上だ。

 客受けしていたのは何といってもニッチェとスギちゃん。特にスギちゃんは子供に人気がある。テレビ番組で648万円で買わされたロレックスをちゃんとしてきて、客席まで降りて、「見せて、見せて」と叫ぶ子供たちのところを見せて回る。

 凄いと思ったのは、東京03。8月に単独ライヴを観たときには、かなりマニア向けのシュールなネタが多かったが、ここでは場所を考えた構成にしている。まずはトークで笑わせ、ショートコントを何本か見せて、そこに即興を加える。そして誰でも笑える病院見舞いのコント。結局終演後一番記憶に残ったのが、この東京03。この持って行き方はたいしたものだ。

 ナイツは、いつもどおりという感じだったが、最後に自分の師匠である内海桂子の物真似などを盛り込む。このような客層でどこまで内海桂子を知っている人がいたのか疑問だが、その試みはうれしい。

10月14日記

静かなお喋り 10月13日

静かなお喋り

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置