2012年8月11日爆笑バトルライヴin千葉Part3(千葉市民会館大ホール) トップは狩野英孝。浮いてしまっているラーメン屋店主のひとりコントで幕開け。この「浮いてしまっている」がこの人の持ち味で、それを逆手にとって笑いにしているようなところもあり、周りもそれをネタにしてイジる。考えてみると『笑点』なんかでもそうで、昔っからある手法。次の『ロックミュージシャンになりたかった魚屋さん』というのも同様。果てはCDを出したが、まったく売れないというのを笑いにして、CDからの曲『ノコギリガール』を客席まで下りてきて熱唱する。どこまでが計算ずくなのかわからない、イジられキャラ。こういう人をトップに持ってくるというのも計算なんだろう。 ニッチェは深夜の『ふくらむスクラム!!』を観ていたころからのファン。よく演っている『子役オーデション』と『保母さん』。『保母さん』で、江上が以前は『チューリップ』をソウルで歌っていたが、最近は『象さん』。これを聴かせるのが売り。『ふくらむスクラム!!』でもバンドを作るコントをシリーズで演っていたが、江上の歌唱力にはこのときから唖然としていた。一度、この人をバンドで聴いてみたい。 自虐ネタで売るヒロシも、最近テレビに出ていないことを逆手にとって、それをさらにネタにしているようなところがある。それでも相変わらず『ガラスの部屋』をバックに「ヒロシです・・・」で始める自虐ネタは鉄板。 「ヒロシです・・・五、六年前、『一生応援します』というファンレターをたくさんもらいました。・・・みんな死んだんでしょうか?」 「健康のために、一駅くらい歩くといいそうですね」「ありゃダメだ。キツくて」「一駅くらいどうってことないだろ」「上野ー大宮、キツかったわ」「新幹線かよ」 U字工事の栃木漫才もすっかり定着した。 「栃木はカンピョウの生産日本一だっぺ。日本からカンピョウ無くなったらどうする? カンピョウはカルシウムたっぷり。牛乳一本分のカルシウム、カンピョウ巻き15本だぜ」 からくりどーるのマジック。こういう人こそ東京の寄席に欲しい。喋りで笑わせ、それでいて煙に巻くマジックで鮮やかに見せる。どこかいかがわしい感じもいい。 ナイツももう安定した人気になってきている。一方的にボケる塙に、上手いツッコミを返していく土屋。オリンピック、ドラえもん、ワンピース、北の国からと続けて、ひとつ屋根の下から、危ない危ない酒井法子ネタへ。この毒のあるところが、また受ける。のりピーには悪いけど、悪いことやっちゃダメよってこと。 トリはサンドウィッチマン。実力もあるコンビだから、トリも納得。コント二本。途中に演ったショートコントがやけに受けている。あまりテレビで演らないネタだからか? コントはお馴染みの『ハンバーガー屋』と『花嫁の手紙』。どちらもYou Tubeで観られるが、ナマはやっぱり格別。 エンディングは、抽選会とサインボール投げ。 『君の瞳に恋してる』が流れる中、緞帳が下がっていく。最後まで笑いを取っていたのは塙。さすが落研出身、寄席育ち。 8月12日記 静かなお喋り 8月11日 このコーナーの表紙に戻る |