直線上に配置

客席放浪記

第十六回奮闘馬石の会

2015年6月23日
池袋演芸場

 開口一番前座さんは、林家あんこ『つる』。前座修業頑張ってね。

 隅田川馬石の一席目は『風呂敷』。もともとは『紙入れ』とも似ている間男の噺。それを間男ではなく、たまたまほかの男を家に上げてお茶していたところに亭主が帰ってきてしまって、慌てて押入れに男を入れてしまったという噺に変えてある。だから、あまり色っぽい噺では無くなってしまっている。今日は『お富与三郎』だから、そういう俗っぽい噺だと被ってしまうから、こういう風にしたのかな? それとも馬石自身、あまり間男の噺って好きじゃないのかもしれない。『お富与三郎』だって、直接のシーンはほとんど無いし。

 馬石が、師匠の五街道雲助から貰った『お富与三郎』は全六席。実はこの続きというのも存在するんだそうで、いよいよ残り三席を掘り起こすことにしたそうだ。別に速記本の類があるわけではないらしいのだが、ストーリーは存在するらしい。それに沿って自分で作っていく作業になる。これは期待したいではないか。

 とりあえず、今までの最終話になっていた『島抜け』の一席。佐渡島に島送りになっていた与三郎が、このまま冬を向かえては、ここで死んでしまうかもしれない。ならばたとえ、いずれ捕まったとしても、もう一度、うまいものを食べたいと、島抜けをするくだり。荒海に乗り出していくサスペンスは、スペクタクル映画を観るよう。『お富与三郎』を全部映画にするなんてことはないだろうけど、ここは見せ場だなぁ。

 仲入り後に、いよいよネタおろしの『越後地蔵ガ鼻』に入った。『お富与三郎』の新展開が聴ける。仲間二人と一緒に島抜けした与三郎。ひとりは海の藻屑となってしまうが、ふたりは越後の海岸に流れ着く。そこで地元の親分に助けられ、今度は江戸に向かうのだが、高崎でちょっとした事件があり、大宮までたどり着いたときに因縁の人間と出会ってしまう。それは・・・。へえ〜、この噺って、こんな展開になるんだったのか! このあとどうなるのか、またもや凄い切れ場で終わってしまった。

 残り『観音小僧久次』『お富お召し捕り』の二席は、11月のセイムタイム、セイムチャンネル!!
 行かざるを得ないでしょ、これは!!

6月24日記

静かなお喋り 6月23日

静かなお喋り

このコーナー表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置