直線上に配置

客席放浪記

第327回サニーホール落語会
珍品噺研究会


2017年3月16日
日暮里サニーホール

 滅多にかかることのない珍しい噺ばかりを集めた落語会。
 出演者五人も、それぞれみんな、久しぶりにかける噺らしくて、開演前は日暮里のカラオケ屋でひとりカラオケを利用して、噺をさらってきたらしい。

 立川志ら玉『熊野の牛王』
 ほとんど『権助魚』。最後の部分だけ、ちょっと違う。なんだか、ほとんど別のサゲをやりたいだけの噺のような気がするが、これは聴く人の好みかな〜。ただ『権助魚』の「二円」にしろ「サメ」にしろ、あまり面白くない。誰か面白いサゲを考えないかな〜。

 立川寸志『将軍の賽』
 幕末を舞台にした、その設定自体からして珍しい噺。将軍に賽子の目の意味の説明をするクライマックスが聞かせ処。歴史の好きな人にはたまらなく面白いだろう。

 立川らく人『樟脳玉』
 この噺はよく出来ているな〜。らく人によると『不動坊火焔』と似たところがあるので、みんな『不動坊火焔』をやるようになってしまったとのこと。私はどたらかというと『不動坊火焔』はあまり好きな演目でもなくて、こっちの方が好き。『不動坊火焔』は嫉妬心から、死んだお化けのふりをして驚かすというのが好きになれない。そんなことやってどうなるのという気がする。こちらは、お化けのふりをして、成仏できてないからと、着物やお金を奪おうとする噺。こっちの方がスッキリしている。サゲも決まるし。

 立川がじら『探偵うどん』
 いかにも明治の噺って感じ。最後にちょっとしたどんでん返しがあり、それがサゲに繋がる。推理小説好きの人は喜びそう。

 立川左平次『藪医者』
 以前、快楽亭ブラックの弟子だったときに教わったそうだ。途中、薬の名前を絵にしたものが出てくるというところがあるが、いかにもブラックが現代的に作ったものや、左平次が考えたらしいものが混在している。あぐらをかいた坊さんが、一人、二人、四人、八人と増えていく絵はバイアグラ。ボラが木に登っていく絵はボラギノール。アハハハハ。

3月17日記

静かなお喋り 3月16日

静かなお喋り

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置