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客席放浪記

シティボーイズ ファイナル part.1 燃えるゴミ

2015年6月25日
グローブ座

 ファイナル part.1 というのが微妙なタイトルなのだが、やはり三人は解散を視野に入れているようだ。なにしろ三人とももう60代半ば。頭も身体も衰えてきたのを感じているのかもしれない。

 しかしそれにしては今回の公演、そんな年齢の人たちとは思えないほど力が入っていた。いつもは数人のゲストを入れての公演という形を取っていたのに、今回はシティボーイズの三人だけ。1時間45分ほどの内容だが、まったく切れ目がなく続いて行く。いままでの公演が何本かのコントのオムニバスのような構成だったのに対し、今回はいくつかのパートがあるものの、全部繋がっているようなそうでもないような、なんとも混沌とした台本。作・演出は五反田団の前田司郎。この劇団の芝居は観ていないのでわからないが、劇団の方もこんなつかみどころのない芝居をやっているのだろうか?

 なにしろ今まで観たシティボーイズの公演の中でも一番わけのわからないもので、どんな内容なのかを説明するのは難しい。基本的に会話の面白さで引っ張っていくのだが、突然ビシュアル的に派手な展開になったりもするから、ますますつかみどころがなかったりする。

 きたろうが小ボケをかましたあとに、斉木しげる大ボケをかまし、それらを大竹まことが突っ込むというのが基本だが、それが崩れたりもする。きたろうの忍者が登場したかと思うと、そこにピンクの忍者装束を着せられた大竹まことが現れる。「こんな恰好でどこに忍び込めばいいんだ」と突っ込むと「廓に忍び込めばいい」なんていうトンチンカンな会話が続いたあと、旗本退屈男風キンキラの衣装の斉木しげるが現れる。自分はおもしろ侍だ。刀ではなくおもしろいことをやって人を斬ると、なにやら剣法一発ギャグが続く。かと思うと絵画の中のモナリザに扮した斉木しげるが大暴れ。さらに舞台が進行するに従って成長していくタカシくんに扮した斉木しげるは、やりたい放題だ。

 派手な場面がある一方で、三人のオジサンたちの年甲斐もない会話が、いつまでも続いたりする。46年間磨き続けた泥団子を持っているきたろう。絶対に壊れないくらいに硬くなっていると主張するのに対し、そんなのボーリングのボールを落とせば粉々だと言う大竹まこと。まるで小学生同士の会話みたいなのだが、それがやけに可笑しい。

 カーテンコールで出てきた三人。どうやら本気で解散を考えているのか、執拗にファイナルを強調する。しかしpart.1って何なんだ? このシリーズはいつまで続くのか。案外、解散する気なんて全くなくて、このままズルズルといつまでも続けていくような気もする。

6月26日記

静かなお喋り 6月25日

静かなお喋り

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