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客席放浪記

2012年5月2日 『カラフルロスタイムアンコール』(渋谷区文化総合センター大和田さくらホール)

 オープニングは高遠彩子の歌う『東京の屋根の下』。懐メロだが、これ、名曲だと思うなあ。バックに昔のレビューの映像が流れる。今日の音楽関係の出演者は、他に『東京タワーの歌』の寒空はだかと、『東京ワッショイ』の遠藤賢司だから、東京繋がりってことかな。

 このあと春風亭昇太が撮った、2006年に石和遠妙寺で行われた、ざぶとん亭の様子がビデオで流れる。遠藤賢司がゲストで出た会の楽屋風景だ。エンケンのレスポールを持たせてもらったSWAの面々や、高田文夫の表情の楽しそうなこと。現在病気療養中の高田文夫のことを思うと、早く元気になって欲しいと願う。そして、どうやら意図的にカットされたと思われる、あの人の映像。どうやら、とことん無かったものにする気なのだろうか? ちょっと残念。

 オープニング・トークは出演者全員で。ビデオで流れたあの日のこと、三遊亭白鳥はエンケンをエノケンと間違えていたというエピソードが紹介される。ありそうだよなあ。

 林家彦いちは、出雲大社の神有月のお祭りに行ったときのエピソードをマクラに『神々の唄』(『知ったか重ちゃん』改題)
 祭にスーザン・ボイルを呼ぶとホラを吹いた男が、女房をスーザン・ボイ子として出演させる噺。町のみんなが怒らないで、それが評判になっていくというのが気持ちがいいではないか。音楽ってそういうもんだよ。

 春風亭昇太は昼間ワイドショウでやっていた、塩谷瞬の二股騒動謝罪会見の話題をマクラに振って『花粉寿司』へ。
 飛騨高山、杉だらけの場所で営業をしている花粉症の寿司屋の噺。いつものサゲで終わるのかと思ったら、タイムリーに塩谷瞬を持ってくる。なるほど、そのための仕込みのマクラだったわけだ。

 寒空はだかの漫談。きょうは地下鉄の話題。駆け込み乗車を無くすには、駆け込み乗車でドアに身体を挟まれた人のために、いちいちまたドアをあけてやるからいけないんだという意見にさんせーい。
 最後は新曲『東京モンド』を、高遠、彦いち、昇太のバックダンサーズと一緒に。いよいよ東京タワーから東京スカイツリーの時代になった。これ、便乗でヒットするといいね。

 休憩を挟んで幕が上がると、遠藤賢司のライヴ。
 新譜から『心の奥まで抱きしめて』などをギター掻き鳴らして歌う。落語を聴きに来た人は度肝を抜けれたろう。
 「三十代、四十代でカッコイイのは当たり前。五十代でカッコイイのが本当のカッコよさだ」とアナウンスがあったが、エンケンおんとし65歳。すっごくカッコイイ。
 『とても言えないこんな夢』から、『満足できるかな』へとぶっ飛ばす。
 途中ビアノ曲『美しい女』『もうちょっと頑張ってみようかな』。「ピアノを習うのはいいけど、人の作ったクラシックばかりやっていないで、自分の曲をつくれよ!」と言うエンケンのアジテーションが心を打つ。
 再びギターに戻って『夜汽車のブルース』。ついにギターの弦が切れた。
 ラストは『夢よ叫べ』。心に沁み渡る力強いエンケンの声。
 ♪お前がやらなきゃあの夢は 二度とは瞬かぬ
  そうさ そんな夢に 負けるな友よ 夢よ叫べ

5月3日記

静かなお喋り 5月2日

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