太福三席 2017年1月27日 日本浪曲協会広間 偶数月に一度、日本浪曲協会で行われている、玉川太福の『太福三席』。去年の5月に初めて足を運んで、7月、9月と通い、11月は都合がつかずに見送ってしまった。この場所にまた来られてうれしい。 本来は第三金曜に行われているのだが、太福は先週、木馬亭で行われた『舞台×ドキュメンタリー 浪曲師玉川太福譚』に出演中で、今週にずれ込んだ形。 この催しを見損じてしまったのは、つくづく悔しい。観ておくんだったなぁ。玉川太福の今までの人生を芝居にして、途中太福へのインタビューがあったりして、最後は太福が一席ということだったらしい。 客席に、その芝居で太福役やった俳優、土田裕太が来ていて、高座にあげてトークが始まった。芝居のなかでは役者が浪曲を唸る場面はなかったそうだが、土田は勉強のために浪曲に通ったとのこと。「もう、一席くらいできるようになったんじゃありませんか? 今日は土田さんが一席で、私二席にしましょう」と言う太福に「とんでもない」と辞退する様子が可笑しかった。 一席目は、太福の新作浪曲、記念すべき第一作になったという『地べたの二人 10年』。これはネットで太福と村松利史によるコントビデオを見たことがある。「だいたいヒッタリちょうど10年」という言い回しが可笑しい。斎藤と金井のこのコンビの噺、先輩格の斎藤が、やや面倒な人物で、金井はいつも斎藤に振り回されるというパターン。以前に『おかず交換編』と『湯船の二人編』は聴いたことがあり、これで三席聴いたことになる。さらに続きが聴きたい! 二席目と三席目は『清水次郎長伝』。第5話の『勝五郎の疑心』と第6話『長兵衛の義侠』。広沢虎造の『清水次郎長伝』を太福流に取り組んでいるそうだ。『石松三十石船』ばかりが有名で、あとは聴いたことが無かったので、いつか太福でこの噺の全貌を聴ける日が来るといいな。今日聴いたところは、次郎長と妻のお蝶が旅先で病に倒れているところ。次郎長もほとんど出てこない。いわば噺の中段。この先、元相撲取りの久六との因縁がどうなっていくのか楽しみ。 1月28日記 静かなお喋り 1月27日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |