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客席放浪記

おかず交換会

2017年7月26日
高円寺・パンディット

 玉川太福の『地べたの二人 おかず交換』から生まれた企画。お客さんに弁当のおかずを持ってきてもらい、それを立川こしら玉川太福が、それぞれ弁当箱に詰め、相手に食べてもらおうというもの。

 おかず交換会は最後にして、まずはこしらが一席。この会の経緯を語るマクラをたっぷりやったあと、いきなり『御神酒徳利』。こりゃ長くなるぞ。しかも始まってみれば大阪までの道中、泊まった宿屋で殺人事件が持ち上がり、密室トリックを解くという趣向まで織り込む。オチでも、導入部で入れておいたあることを回収してみせた。

 太福は『任侠流山動物園』。太福でこの噺を聴くのは、これで三回目。つくづくこの噺は落語ではなく浪曲に向いているなぁと思う。

 こしらの二席目は『時そば』。ただし普通の『時そば』ではない。あとの真似しようとする男は『地べたの二人』の、斎藤、金井コンビ。即興で考えついたアイデアらしく、演っていて混乱も多く、ややとっ散らかってしまった感じ。まずいそばをほとんど食べずにサゲへ。

 そして太福が『地べたの二人 おかず交換』を演って、いよいよおかず交換会の始まり。

 テーブルには、お客さんの持参した弁当のおかずが並ぶ。30人ほどのお客さんが持ってきた惣菜はテーブルに乗り切れないほどたくさん。崎陽軒の高級焼売やら、揚げ物、玉子焼き、漬物、手作りの煮ものも多い。噺に出てくる唐揚げ(タルタル付き)やシャケも複数並んだ。なかには斎藤の持ってきた、シャケにオデンの残りをおかずとする二段弁当を再現して持ってきた男性客もいて、大盛り上がり。
 なかにゴーヤの料理を持ち込んだ人がいて、「ゴーヤは嫌いだから入れないで」のこしらの声を無視して太福がこしら用の弁当箱にゴーヤを入れてしまい大騒ぎ。
 またむ、こしらは東京の甘い玉子焼きが苦手らしい。
 噺のなかに出てくるシャケの皮は好きか嫌いかは、太福は大好きだということもわかって面白かった。
 残ったおかずは、お客さんたちでいただきました。

7月27日記

静かなお喋り 7月26日

静かなお喋り

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