客席放浪記

玉川太福の浪曲入門8

2017年8月3日
ミュージックテイト西新宿店

玉川太福、曲師・沢村三舟
『自転車水滸伝 ペダルとサドル』
トークゲスト 沢村三舟
『天保水滸伝 笹川の花会』

 浪曲界に平成生まれの美人曲師が現れたという話は聞いていたが、実際に見たのは初めて。
 今日はゲストとして、その沢村三舟の話が聞けるということで、狭い会場は超満員。人の多さと熱気でクーラーは効かず、演者もお客さんも汗を拭きながらの2時間20分だった。
 太福が、「もう今日は、私の会ではなく三舟の会ですから、私を見ずに彼女を見てください」と言って笑わせる。いや〜、本当に三舟、美人だわ。次回以降も曲師は三舟で行くらしく、この会、毎回超満員になってしまうのではないだろうか? 何しろ至近距離で彼女が見られるのだから。

 トークコーナーで沢村三舟のことを知った。2年前の2015年5月、日本浪曲協会の浪曲教室に参加。生まれて初めて三味線を手にして、翌6月にはもう沢村貞豊子に弟子入り。上達が驚異的に早く、10ヶ月後の昨年4月にはデビューしたという。そのまま玉川奈々福の曲師を9回務めた昨年の暮、師匠沢村貞豊子が右手首骨折。当初豊子が曲師を務める予定だった奈々福の大きな舞台をすべて三舟が代演したという。

 まだ三味線を手にして2年とは思えないバチ捌き。浪曲師の顔を常に見ながら、即興で繰り出すフレーズ。いや〜、凄いですわ。惚れてしまうがな〜。

 トークの受け答えは天然。なんだかすっとぼけているようで、素直で可愛い。性格は良さそう。事前に太福から『笹川の花会』を演るとは聞かされていなかったそうで、これを演るのは初めてで、「いきなり大ネタなんでびっくりしちゃいました〜」と言いながらも、あっけらかんとしている。大物だね、この人。

 一昨年の暮に国本武春という若い大黒柱を失った浪曲界。そこから玉川太福という逸材が出てきたというだけでもうれしいのに、ここにきて曲師沢村三舟の登場。面白くなってきたな〜。

8月4日記

静かなお喋り 8月3日

静かなお喋り

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