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客席放浪記

第7回浅草ダンナさん会・立川談奈落語会

2012年12月8日
東洋館

 開口一番前座さんは、林家なな子『味噌豆』。頑張ってね。

 立川談志の最後の弟子で、死後、立川左談次の預かりになった立川談吉。この人の落語を初めて聴くことができた。『道灌』。スピーディーでテンポがいい。これは期待できそうだ。

 本日の主役立川談奈。ゲストが多いから目立たないじゃないの! アハハ。「最近ひとりデフレスパイラル状態でして。金が無いから外に出ない→外に出ないから人に会わない→人に会わないから金にならない→金が無いから外に出ない。」 とはいえ、今年から来年にかけても高座数は多いぞ。一席目は『転宅』

 オフィス北野の米粒写経の漫才。大本営八俵こと居島一平が日本史をネタに縦横に話しまくる。圧倒的な情報量に頭がクラクラしてくる。最後には『芝浜』と『時そば』と『寿限無』をミックスした『寿限そば浜』まで披露。あとから聞いたら、今日はこの三席は出ないことを確認してからやったとの事。さすが元落研。

 立川左談次が円生のエピソードを語ってくれるる「人形町末広で円生師匠が出演した時の事。前座がメクリを返すのを忘れてしまった。客席が気が付いてザワザワしている。でももう噺が始まってしまって直しようがない。高座を終えて降りてきた円生師匠、『前座、全員集合!』。で、お小言ですよ。翌日、言い過ぎたと思ったのでしょうか、円生師匠、前座さんたちに、『中華そばでも取りましょう。私も食べますから』。ラーメンが届いて、前座のひとりが円生のところへ持っていく。お能のように摺り足で。ところが畳のヘリにつまずいて、ラーメンが円生師匠にかかってしまう。円生師匠『おやおや』」。噺は『町内の若い衆』。「町内の若い衆がよってたかって作ってくれたようなものです」という謙遜した言葉を言えるかと亭主から言われ、女房「そのくらいのことイエライシャン(夜来香)」「中途半端に古いこと言うな!」

 仲入り後は、あした順子。「内海桂子とコンビを組んでAKB48やってるの。Aはあした順子のA、Kは内海桂子のK、BはババアのB。48はシワだらけよ。あちらはアキバだけど、あたしたちはもうすぐヤキバ」。いつもは前座さんを使って踊る、ひろしとのネタだった『男と女のはしご酒』を、今日は特別出演で立川左談次が登場。

 トリの立川談奈二席目は『井戸の茶碗』。「曲がった事の大嫌いな屑屋の清兵衛さん。ユリ・ゲラーがスプーンを曲げようものなら、『何するんだ、この野郎』と怒り出しかねない」んだが、少々正直すぎちゃって言い過ぎちゃうんだよなぁ。仏像の中から出てきた五十両を千代田卜斎に渡そうとして拒否されると「それだけの金があれば、娘さんに着物の一枚、帯の一本も買って差し上げられるんじゃないですか?」なんて言っちゃうもんだから、それを聞いて「黙れ!黙れ!黙れ!」って逆ギレされちゃう。これだから武士ってのも厄介なんだけどね。屑屋より困窮しているからってズバリ言っちゃいけないやね。

12月9日記

静かなお喋り 12月8日

静かなお喋り

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