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客席放浪記

第11回談之助・唐沢の落語アカデミア

2016年1月12日
道楽亭

 立川談之助唐沢俊一の落語トークショウ。今回は「落語家にとって襲名とは何か?」。これは興味深い。

 まずはふたりでオープニングトーク。昨年暮にテレビで放映されたドラマ『赤めだか』を俎上にあげて、最初っから飛ばす。内容はいろいろと差しさわりがあるのでインターネットには書けない。『赤めだか』だけでふたりで20分。やはり観る人が観ると、そういう裏もあるのかという思い。話は民放という存在そのものにも触れる内容で、いろいろ刺激的な話だった。

 「一応、落語もやります」ということで高座に上がった立川談之助。マクラでこれをやらないと始まらない。立川流の現況報告。これだけで30分近くやっていた。立川流の落語家でないとわからない内部事情。これがまた実に面白いのだが、これも書けない。
 そして始まったのが『短命』。「寄席で12分のネタですが」と本人自ら言うように、寄席サイズでしっかり収まるネタなのだが、なんとこの噺を30分。入れ事が多い上に、かなりエロチックな内容。まあ、寄席ではできませんね。「なんでこの噺が禁演落語に入ってないのかわからない」というけど、やりようにもよるのかもね。

 仲入り後にいよいよ「落語家にとって襲名とは何か?」をめぐるトーク。
 大きな名前を継ぐことが、本人にとって良かったのか悪かったのか。それぞれの人の検証。
 圓生襲名問題。
 談志襲名の行方。
 いろいろな角度から襲名問題を語っていく。
 歌舞伎界の場合は、ほとんど失敗なくこの問題をクリアしているのに、落語界はいろいろと問題を残している。それはなぜか。
 今や、大きな名前を継ぐのはデメリットの方が多くなってしまった落語界。ではどうすれはいいのか。
 話は落語は伝統芸能なのかどうなのかということまで話が広がっていく。
 書き始めるとキリがないところまで話は広がったが、これも差しさわりのあることもあるので、あまり詳しくは書けない。

 たかが名前の問題なのだが、これが当人には大きな影響を与える。無理に継がせようなんて周りから言う問題でもないと私は感じる。名前を変えて、幸運を背負うのも、不幸を背負うのも本人なんだから。

1月13日記

静かなお喋り 1月12日

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