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客席放浪記

男子はだまってなさいよ! 聖(セント)バカコント

2013年6月16日
本多劇場

 男子はだまってなさいよ!は、ほぼ毎回観に行っているが、今年は出演者が凄い。NHKの朝ドラ『あまちゃん』にも出ている、大人計画の荒川良々、皆川猿時がメインで、それにお笑いコンピのラバーガールとシソンヌが加わり、さらに川本成、大堀こういちの8人の出演者。この8人が二時間、舞台でエネルギッシュなコントを見せる。
 男子はだまってなさいよと言っても、出演者は男ばかり。しかもデカい男が多い。荒川良々と皆川猿時は特に重量級。身体だけでなく笑いも重量級だ。

 最初は『進撃の巨人婚活パーティー』。ラバーガールの飛永が婚活パーティーに行ってみると、相手の女性はすべて雲を突くほどの巨人だったというコント。

 続いて村上春樹コント3本。
 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が映画化され、その撮影現場に村上春樹と編集者が見学にくる。ところがどうも様子が違う。映画のはずが、二時間サスペンス・土曜ワイド劇場になっていて、殺人事件が起こり、最後は海のそばの崖の上。どうやら原作を読んでいると、その可笑しさが倍増する細かい作りになっているらしい。
 次に柳沢慎吾のような村上春樹、長淵剛のような村上春樹と続く。

 シュールな会社コントがあって、次がラバーガールの飛永と大堀の高校生が荒川に絡むコントと、皆川に絡むコント。
 級友の荒川がふたりにプロレスごっこのようなものをやろうと言いだし、同時にかかって来いと言うのだが、何回やっても荒川が倒され飛永に腕ひしぎ逆十字にあってしまう。
 そんなふたりが今度は、皆川の恐怖のバンテリン男の襲撃に合うというのが次のコント。
 このコントがどうにもくだらないのだが、私は大好き。

 ラジオのDJのコント。これは少々私にはキツかった。ただ笑えばいいのだろうが、絶対放送は出来ないだろう。身体障碍者コントは難しい。

 次の『CRパチンコ原子力発電』も、風刺はあるものの、こういう笑いは素直に笑えないところがあって、私にはどうも。

 一番好きだったのは『取り調べ』。これはよくある刑事と容疑者の取調室コント。飛永が容疑者、荒川が突っかかっていく刑事、それを止めに入る刑事が皆川。荒川の迫力が凄まじい。高校生コントで飛永にやられ放題だったのを返すように突っかかっていく。それを止める皆川がなぜかズボンのベルトをしていなくて、脱げそうになるのだが、この可笑しさを文字で表すことができない。もう観た人だけにしかわからないだろう。

 ラストは『柳沢の王子様』。『ミュージカル・テニスの王子様』のパロディ。元ネタを観ていないのでわからないところがあるのかも知れないのが残念。それと柳沢慎吾のひとり芸も知らないとなんのことだかわからないだろう。それでも勢いで突っ走る最後のコント。わからない人はわからなくてもいいということらしい。

 今回の男子はだまってなさいよ!は、二列目中央と、舞台から近かったせいもあり、特に凄い迫力だったなぁ。

6月18日記

静かなお喋り 6月16日

静かなお喋り

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