立川談笑 月例独演会 其の169回 2016年4月13日 国立演芸場 この立川談笑の月例独演会、これで三ヶ月連続で観たことになる。談笑の落語は古典を改作したり、改作までいかなくても、かなりいじってあったりで好きだ。ただ、立川流ということもあって、なかなか観る機会がないので、こういう独演会を利用して観ようと思って通い出したのだが、さすがに一度にひとりで四席演るというのに、聴いていて疲れてきてしまった。今回でしばらく観るのは休もう。 一席目、『寿限無』。お友達が学校に行くのを迎えに来る。母親に「ジュゲちゃん起きてる?」 「あんたはこの落語の趣旨を理解してないわね!」。アハハハハ、そのとおり。でも、省略を好む日本社会、実際にこんな長い名前の人がいたら、ジュゲちゃんにしちゃうだろうなぁ。 二席目、『猫と金魚』。番頭のボケ、主人のツッコミという漫才みたいな噺なのだが、談笑にかかると、このボケ、ツッコミがエスカレートする。「金魚を上げておくれ」と言われると油で揚げる。「下しておくれ」と言われると、三枚におろす。そのたびに金魚屋から新しい金魚を買う。金魚屋も心得たもので、そのまま立ち去らないで待っている。なんとなく3人コントのよう。 三席目、『松山鏡』。マクラで最近の有名人の浮気問題を語っていたのが伏線になっていて、おかみさんが鏡を見て亭主が女を隠していたと勘違いして「ゲスの極み!」。サゲも通常のものとは少し変えてあって、毒がある。 四席目は『浜野矩随』。こちらはあまり噺をいじっていない。なにしろ最後が暗い噺だから、私はあまり好きになれない噺のひとつ。 4月14日記 静かなお喋り 4月13日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |