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客席放浪記

談笑 落語外伝
第四回 お題『らくだ』


 立川談笑、まずは『らくだ』本編から。
 マクラを除くと、噺の尺は35分ほど。後半はやらず、屑屋さんが酔っぱらって逆転しまうところまでで切った。サゲは煮しめを口にした屑屋さんが、「イモで酒が飲めるか! 魚屋にマグロのブツを持ってこさせろ! 四の五の言ったら、かんかんのうを躍らせる」。
 最後のトークで、談笑の『らくだ』のラストは大きく変えてあり、サゲもこのようなものではないと知った。談笑のものはまさに目から鱗。驚天動地のもので、そっちの方が面白いと思ったのだが、今回はこのあとの『外伝』との兼ね合いで、こんなサゲになったらしい。
 面白いのは、冒頭、らくだの兄貴分がらくだの家にやってきて、らくだが死んでいるのを発見するくだり。食べ残した河豚雑炊があり、それを食べてしまってから、らくだが死んでいるのに気が付き、慌てて吐き出す。
 あと、屑屋さんが無理矢理酒を注がれるたびに、「うれしいです・・・いや、悲しんでいます」と繰り返すのが面白い。

 外伝は『そのあと』。10分ほどの短いものだった。
 火葬が済んだ翌朝。長屋の住人と屑屋さんが線香をあげていると、そこにらくだの母だという人物が現れる。ここかららくだの正体が明らかになっていく。らくだは実は二重生活をしていて、片方では茶器を扱う老舗の旦那。それがなぜこの長屋での生活をしていたのかという謎がわかる。
 そして長屋の人たちが噂していた、「なぜ、この男は誰も本名を知らず、らくだと呼ばれているんだろう」という謎がサゲで明らかになる。

 広瀬和生とのトークでは、どういう発想でこういう外伝噺になったのかという流れが語られた。ほかに、らくだの兄貴分をあまり怖くやってしまうと聴く側が辛くなってしまうから、最近は少し怖さをセープしているといった、『らくだ』の演じ方に関するトークも聞かれた。

 次回は、暗い噺が続くが『死神』。

2月21日記

静かなお喋り 2月20日

静かなお喋り

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