談笑 落語外伝 第五回 死神 2018年4月25日 成城ホール 立川談笑が、名作落語の「それまで」、「そのあと」、「スピンオフ」の一席を作る会。今回は『死神』。 まずは小噺をいくつか。私は砂漠で水を求める男の小噺が面白かった。どこかでやってみたくなる。 続いて、「この会は落語に詳しくないお客さんもいるといけないから」と言って短い噺『山号寺号』。 『山号寺号』に出てきた、たいこもちがお金を儲け損ねて帰ってきたところから『死神』に入る。 元の『死神』は、病で床に臥せっている人のところにつくが、談笑のは怪我をする人にもつく。交通事故の場合は自動車に死神が付いている。これは談志が発想したことらしい。 死神を消す呪文は短く「アジャラカモクレン テケレッツノパー」でアジャラカモクレンのあとに何もつかない。これはあとからやる噺の都合で短くしたもの。 死神が見えるようになるのは、死神から数珠を貰い、それをかけていると死神が見えるという設定。 この呪文を唱えると、病気が治ることがあると世間に知られてしまい、男に仕事が来なくなる。 布団をひっくり返すところは、かなりのスラップスティックになっていて可笑しい。あまりのことに主人公の男も四人の男に「死神が笑っているじゃねえか」。 仲入り後に『死神 そのあと』。時代は現代。ある街医者が家の整理をしていると蝋燭が見つかる。それに火を点けると、どこからともなく老人が現れる。 ややわかりにくい噺で混乱した。それでもネット社会と死神を組み合わせたサイバーホラーの味わい。 「アジャラカモクレン テケレッツノパー」の意味を分析してみせたのは労作といっていい。やや苦しいけど。 4月26日記 静かなお喋り 4月25日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |