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客席放浪記

林家英平と笑いの仲間

2015年1月31日
池袋演芸場

 これで三年続けて観に行っている会。池袋演芸場が、この日だけ浅草東洋館のような状態になってしまう。知らない芸人、ほとんど観る機会のない芸人がズラリと顔を揃える。

 前座がふたり出るのも恒例。笑福亭希光『犬の目』桂伸力『やかん』。前座修業頑張ってね。

 BBゴローのギター漫談と稲川淳二ものまね。エアロスミスの Walk This Way が『俺ら東京さ行ぐだ』に変わってしまうというネタが面白い。そしてお得意の稲川淳二ネタ。いかにも稲川淳二が言いそうな口先だけの気の持たせ方をうまく真似している。

 漫談の西村。「歌舞伎町を歩いていたら雑居ビルで火事。たしかあそこ居酒屋が入っていたと思ったらもカチカチ山」

 マジック桜井の手品。去年も出ていたけれど、どうも素人さんらしい。ぎこちない動きでタネがわかってしまったり。このスマートさに欠けるところがご愛嬌。

 フーテンの寅なりきり物真似漫談の野口寅次郎。この手の芸人って何人かいるね。

 ここで飛び入りらしい女性の歌。緒方じゅんという人らしい。シャンソンや演歌、それにオリジナルだというラテンナンバー。

 好田タクトの指揮者物真似。ジェームズ・レヴァインに朝比奈隆。一昨年もやっていた『指揮者ラジオ体操』というネタが面白い。スマイリー小原まで登場するんだもの。

 やまけいじの音楽漫談。自転車のベル、そしてベルリン・フィルハーモニー・オーケストラのネタは健在。その前にやった『愛の讃歌』『愛の水中花』『ハンガリー舞曲』の小ネタも面白かった。この人の芸は安定してるね。

 素人さんの落語が入るのもこの会の特色。むさしの亭ひょろ松『たぬ札』

 源五郎は蝦蟇の油売りの大道芸なのだが、きちんと最後まで口上をやらないで、話がどんどん脱線する。まあ、きっちり口上聴かせてもらえなくても落語の『蝦蟇の油』でこっちは年中聴いているけれどね。

 永峰ゆう子の唄マネ。瀬川瑛子、淡谷のり子、青江三奈、水前寺清子、ぴんから兄弟、中村玉緒、美空ひばりなど。日テレの歌マネ番組でチャンピオンになってデビューした人でキャリアも長いし実力もある人。

 最前列に陣取っていた家族が、次の一人コントの永野という芸人がお目当てだったらしい。大騒ぎをしている。『ヘリコプターになれた男』というネタをリクエストしている。音を用意してきていないから出来ないと言っていたが、そのサワリを見せてくれる。ほかに『映画はみてないけれど、たぶんこんな感じかなのスパイダーマン』『お猿の呼吸』『満員の山手線に二千匹のネコを詰め込む男』『ピカソとゴッホに捧げる曲』。ツボにはまる人には可笑しいらしい。

 石川遼の物真似の石川不遼。世の中、変わった芸人さんがいるものだ。

 林家英平は去年は元大リーガーを連れてきての対談だったが、今年は予定していた人が出られなくなったとかで漫談。

 仲入り後、去年も出ていた三国志コントのすっぽん大学。ネタも変わっていない。しかし凄い衣装だね。

 三味線漫談と出ていたが、しっかりした三味線芸の春風亭美由紀。季節がということで『梅は咲いたか』を歌ってみせ、『三人吉三』の「こいつは春から縁起がいいわい」。立ち上がって踊り『春雨』。春尽くしだね。

 マジック千秋の手品。風船を食べる(!)マジックに唖然。どうなってるんだ? 

 スギタヒロシのエイリアンコント。この人もテレビのネタ番組によく出ていた。あいかわらず可笑しい。

 トリは松鶴家千とせ。もう70代も後半だろう。元気な姿が観られてうれしい。『夕焼け小焼け』や『七つの子』といった童謡をジャズにして歌い、ギャグを入れる芸風は変わっていない。おそろしくシュールで伝わりにくいんネタなんだけど、なぜか面白いんだよなぁ。

2月1日記

静かなお喋り 1月31日

静かなお喋り

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