円丈冬の夜噺『累ヶ淵SADAKO3000』をやる会 2014年12月23日 国立演芸場 毎年、年末に行われている国立演芸場の三遊亭円丈の会。芸歴五十年、ついに古希を迎えたそうだ。ついこの前、還暦とか言っていたのが、あれからもう10年。あっという間だ。 三遊亭丈二の『大発生』は、ある島にあるものが大発生してしまう噺。害虫かと思いきや、それはなんと中村さん。ここでガクッとくるのだが、中村さんが大発生して田畑を荒らすとかなんて話になって来て、そのナンセンスの極みは、どんと゜ん加速して行ってしまう。それでは中村ホイホイを仕掛けよう。って、中村ホイホイって何よ。アハハハハ。すると中村さんが何人かかかるが、ついでに藤田さんも何人かかかってしまう。そのうちに中村さんには学習能力があり、あまり効果が無くなってしまうが、藤田さんは学習能力がないので、さらにかかってしまう。それでは中村さんの天敵、タカナシさんを離そう。って、うわー、凄い。こういう発想ってどうやったら浮かんでくるのやら。 林家彦いちは、『青畳の女』。以前聴いたのよりは、細かいところが修正された感じ。座布団の巴投げは健在。アハハ。 三遊亭小円歌の三味線漫談。もうお亡くなりになった師匠たちの出囃子を披露。志ん朝師匠の『老松』を弾いて、「私は高座でよく『両国風景』を弾くんですが、あるとき立前座が、そのとき楽屋で叩いていた太鼓が気に入らなかったんでしょうね。太鼓を叩いている部屋の障子をガラッと開けて文句を言おうとしたら、志ん朝師匠が叩いていた」。ほんとかね。 柳家小ゑんは『長い夜』、戒Uだそうだ。大空と大地が地上でたわいもないことで騒いでいる人間たちを眺めるというスタイル。確かに今までになかったものが加わっている。最後の方のラップをやる若者なんていうのは、うまく取り込んでみせたなぁ。これ、まだまだ増えて行きそうな噺。 仲入り後、三遊亭白鳥は、このところかけまくっている『千葉棒鱈』。後半にさらに膨らみを持たせてきた。やるたびにどんどん進化しているな。受けないところは捨てたり工夫したり、この人の、面白くしようという努力は凄いと思うよ。 それで、三遊亭円丈の『累ヶ淵SADAKO3000』なんだが、怪談ということで客電を暗くしたとたんに眠くなっちゃって、よく憶えていない。ただやたらスプラッターしてて、なんとも気持ち悪いイメージだけが頭の中に残った。スプラッター・ホラーを落語でやったというのは、これか゜初めてではないだろうか。怪談のあとは陽気に踊りということで、立ち上がって、かっぽれ。ところが円丈、かっぽれを踊ったことが無いという。小円歌と丈二が踊る隣をも見よう見まねで。ご愛嬌ですな。 12月25日記 静かなお喋り 12月23日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |