漫談チャンピオン決定戦〜圓歌杯〜予選リーグ 2016年5月18日 神田連雀亭 落語というと、今は古典落語。それも誰が言い出したのか、本寸法なんていう言葉が幅を利かせているが、戦後、安藤鶴夫が線引きして囲い込んだ落語イコール古典落語の概念とは別に、寄席で一番受けていたのは林家三平であり、『授業中』の三遊亭歌奴(現・圓歌)であったことを忘れてはならない。三平は小噺だし、歌奴が後に得意ネタとした『中沢家の人々』は漫談風に巧妙に作られた創作だった。 そうかと思うと、寄席に行って古典落語ばかり続いたりすると飽きてきたり、新作落語ばかり続くと疲れてしまう。そういうとき、噺ではなく漫談だけで持ち時間を使い、場の雰囲気をリフレッシュしてくれる落語家の存在はうれしい。 今年12月の優勝決定戦に向け、落語協会の二ツ目による、漫談チャンピオン予選リーグが先月から始まっている。今夜はその二回目。 (オープニング・トーク)三遊亭歌橘 この会のプジューサーにして司会者の真打、歌橘。なんと今日は飛び入りで佐川一政が加わる予定だったそうだ。結果的に体調不良を理由にドタキャンになったそうだが、打ち合わせのために歌橘が佐川に会ったときの話が、結構ヤバイ。まあ、作りかもしれないが・・・。 柳家花いち 今日の出演順はくじ引きだったそうだ。最初に上がった花いちは、某師匠の変わった性格と行動について。実名を出していたが、一応ネットでは名前を伏せておこう。 三遊亭歌扇 サルとカボチャの小噺がよく出来ていた。小噺というくくりにすると、この人が一番面白かった。 林家扇兵衛 自分の師匠木久扇の木久蔵ラーメンの話。最後はまとまりがつかず自爆してしまった感じだが、そこがまた可笑しい。無理矢理、趣味の昭和歌謡を歌えと楽屋から言われ、いやいや『青い山脈』を歌う。 三遊亭歌橘 この会のプロデューサーだから、チャンピオンリーグには関係ないようだが、さすがに真打だけあって面白い。自身の生い立ちから入門してまでを語るのだが30分くらい喋っていた。生い立ちがあまりに不幸なので笑っていいのやら悪いのやら。笑ってやった方が救われるんだろうけれど。 〜仲入り〜 三遊亭歌実 唯一、まだ前座なのだが、漫談の腕を買われたらしく参戦。楽屋の話、しくじり話、浅草のこと、自分の元の職業お巡りさんのことなど、話がピョコピョコ変わるが、ひとつひとつは、やけに面白い。これでまとまりがついて来れば、かなり有望。 三遊亭天歌 故郷宮崎の県民性について。これは珍しい。まだまだ宮崎でネタはたくさん出てきそうな勢いが感じられた。 柳家花飛 先月の、大喜利王選手権でも、面白い回答を出していた花飛。今日は主に、しくじり談。落語家の世界は大変だ。 5月19日記 静かなお喋り 5月18日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |