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客席放浪記

第8回ヨチヨチSWAN

2014年3月23日
お江戸日本橋亭

 三遊亭白鳥、長講二席。古典の大ネタに挑戦するとホームページで予告していたネタは、こっくりさんのマクラから。ええ? こっくりさんが関係する古典ってなんだ? と思ったら、なんと『らくだ』が始まってしまった。それも、いかにも白鳥風アレンジながら、あまりストーリー自体はいじっていない。もちろん「ふぐ食って、ふぐ死んじゃった」なんて、今更誰も笑わないだろうクスグリなんて入れてない。
 「あれ?」と思わせる元ネタに無い部分は、後になって全て回収されるという手の込んだもの。やはり、きちんと伏線を張るストーリー作りは、この人の得意とするところ。
 『らくだ』という噺が、白鳥ワールドに移動するのは、くずやさんが酒を飲み始めるところから。キチンと仕込んでおいたものが、ここから動き出す。そして結果的に辿り着いたのは『死霊のらくだ』という噺。
 あとからの解説によると、最初にサゲが浮かんで、あとからいろいろ作り込んで行ったのだそうだ。よくぞ、こういう誰も考え付かないような『らくだ』が完成したものだ。もう二度と演ることはないだろうと言っていたが、ひょっとしてかける機会もあるかもしれない。ここではネタバレをしないでおくことにする。そのくらい、最後はびっくりするから。

 仲入り後の二席目は『ラーメン千本桜』。『死霊のらくだ』も長かったが、これも長い。どうやら前後編に分けてやることもあるようだ。兄弟の確執のテーマから、後半はラーメン作り対決。なんとなく『包丁人味平』の世界みたいな展開に。敵方にラーメンのタレにウースターソースを入れられ台無しにされたところから一発逆転の新しいラーメンを作り上げるというストーリー。桜満開の公園で作り上げたラーメンは・・・果たして、これ、本当においしいの? というラーメンだけど、白鳥が演ると無理矢理ながらねじ伏せられた感じ(笑)。凄いね、白鳥。

3月24日記

静かなお喋り 3月23日

静かなお喋り

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