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客席放浪記

ヨチヨチSWAN

2014年5月31日

 まずは三遊亭白鳥が出てきて挨拶。来月の鈴本演芸場トリの告知やら、池袋演芸場『ピンクの白鳥』告知及び前売り券を販売していることのお知らせ。さらには本日発売のCDを買ってもらえれば、終演までにサインをして渡すとの連絡。古典ネタおろしと、久し振りにやる新作が今日の演目だが、その間にサインまでやってしまおうというのだから、どんだけ元気なんだか。

 三遊亭ぬう生は、お得意のホストもの『続・定年ホスト』。定年退職して家でブラブラしているお父さん。家にいても邪魔にされるのでホストクラブで働くことにする。ところが指名客が付かない。それで奥さんに来てもらって指名してもらう。見かねた奥さんは、お父さんの現役時代の会社の社員を呼んでくる。ところが今まで上司だった自分のプライドが捨てられず、どうしても命令口調になってしまう。
 ありそうな噺だね。老人ホームに入った人も上の方の役職だった人は威張ってるっていうしね。

 三遊亭白鳥の言う、今日かける「古典の大ネタ」とは何かと思ったら、『牡丹燈籠』。今度、柳家三三との会で宿題に出されたということで、一足早くお披露目ということになったらしい。
 白鳥落語によく登場する、池袋の安アパートに住む売れない落語家Q蔵。アサダ二世に連れられて、最近落語を聴くようになったというお屋敷のお嬢さんのところへ。このお嬢さんにQ蔵が惚れられるのだが、祝儀袋に入っていた電話番号のメモを見落とし、そのままになってしまったことから、お嬢さんが死んでしまう。そして、このお嬢さんが幽霊になって毎夜毎夜、Q蔵のところに通ってくることになる。後半は安アパートの武術の達人の中国人の助けも借りて、お嬢さんならぬ牡丹の精との闘い。ほとんどアクション・ホラー映画。前の日に浚ってみたら一時間半あったというのを50分に刈り込んであった。寄席や落語会でかけるには30分にまとめなければならないそうで、これ、これからどう変わっていくのか。牡丹は出てきたが、燈籠は無かったなあと思ったら、オチで持って来た。ハハハハハ。

 仲入り後、三遊亭たん丈のものまね。
 田村正和、江頭2:50、薬師丸ひろ子、滝川クリスタル、ボビー・オロゴン、ビートたけし、桑田佳祐、林家彦六、坂東英二、上島竜兵、ヒゲダンス、進撃の巨人、買い物に行く新妻。

 三遊亭白鳥二席目は、六年ほど前にネタおろしして、あまり高座にかけていないという『真夏の夜の夢』。ヤクザの事務所から金を盗んできた2人組。神社の裏に穴を掘って金を隠そうとする。地面を掘っていると、そこから出てきたのはB29が落とした不発弾。そこにやってきたのがブラジル人の男の子。妹が熱を出して困っているという。子供の家には氷を作る冷蔵庫も無く、近所にコンビニも無い。そこでふたりが思いついたのは・・・。
 人情噺を作ろうと思って作ったそうだが、人情噺に不発弾が出てくるあたりが白鳥らしくて面白い。普通、これは考え付かないよなぁ。藁人形のやり取りとか、ブラックユーモアもあったり、幽霊が出たり、これ、最初は人情噺に発展するとは思わなかった。

 盛りだくさんの二席が聴けて、これで2000円という料金は安いねぇ。

6月1日記

静かなお喋り 5月31日

静かなお喋り

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