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客席放浪記

三遊亭白鳥・柳家喬太郎二人会

2017年3月21日
イイノホール

 去年のこの時期も開催されたこの会。二年目はあるのだろうかと思っていたら、ちゃんとまた行われた。この二人会、ありそうでない組み合わせだから、毎年続いて行くとうれしいな。

 オープニングトークでは白鳥が、ある日市馬から、「オレはお前の落語を聴いて目覚めた」と言われたいうエピソードを語り、「こみちだって、『私は柳家ですから、本寸法な古典しかやりません』なんて言ってたのが、最近噺の中で、入れ事をするわ歌を歌うは、やりはじめた。オレはいろんな人の殻を破らせてるんだね」と言うと、喬太郎が「殻を破らせているんじゃなくて、崩壊させてるんだよ」とツッ込む。まあどちらにしろ、このふたりの落語は、ほかの人にも影響を与えているのは確かだろうな。

 柳家喬太郎一席目『粗忽の使者』は、去年の暮にも聴いた。その前はというと、4〜5年前にも聴いている。尻をつねる場所が、よりによってアソコとは・・・男だったら、あの部分は考えただけでも・・・イッてしまいそう。失礼。

 三遊亭白鳥一席目『落語の仮面第5話 恋する宮戸川』。第5話を聴いたのはおそらく2回目。主人公花が出てこない、あゆみの噺。実在の落語家がたくさん出てくる。あくまでも名前だけで実在の人物とは性格なども全く違う・・・そうだけど、誰もそうは思わないだろう。こんな噺やってると、敵をたくさん作りそうだけど、やって受けたもん勝ちなのが落語界。自由だな〜。アハハハハ。

 白鳥二席目は『老人前座』。この噺を聴くのも三回目(予告編的にサワリをやったのを含めると四回目)。でももう一年以上聴いてなかった。今は『老人前座じじ太郎』って言うんだね。明らかに実在の落語家三遊亭天どんをモデルにした人物三遊亭かつどんが出てくるのだけど、途中で「天どん」になっちゃった。どうやら本人も気が付いたみたいなんだけど、気にせずに天どんで押し切っていっちゃったのは白鳥らしい。最初っから天どんでやればいいのにね。アハハハハ。

 喬太郎トリ、この流れだと新作。しかも白鳥が二席とも落語家の出てくる噺できたから、ここは喬太郎も『すみれ総201号室』あたりかなと思ったら、『おせつ徳三郎』を始めた。なんでまたここでこの噺をと思いながら聴いていると、普通の『おせつ徳三郎』の、店の主や番頭、定吉と微妙に違う。それで思い出した。これは一昨年の5月[新宿末廣亭]余一会で聴いた『任侠・おせつ徳三郎』だ。この噺、聴いたことのない人は最後まできたところで、たまげるだろうなぁと、クスクスと笑いを噛み殺して聴いていた。『刀屋』の部分が終わってあとの、とんでもな展開は、知らない人はびっくりしただろう。しかしなかにはもとの『おせつ徳三郎』自体を知らないお客さんも多かっただろうなぁ。そういう噺なんだと思われたら困るけど・・・思わないか。アハハハハ。

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