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客席放浪記

ヨチヨチSWAN

2017年12月16日
お江戸日本橋亭

 5年間続いたこの会も今日でとりあえず最終回。「疲れた」のが理由だそうだ。そりゃそうだろう。2ヶ月に一度、新作落語のネタ下しを続ければ、そりゃ疲れるなんてものじゃない。よく続いたと思う。
 思い起こせば5年前の第1回。前売や予約なしでスタートしたら、120人のキャパに140人集まってしまって、入り切れない人は帰ってもらってた。その20人の帰ったお客のひとりが私だった。以来、第2回からは予約制になって、私も行くときは必ずメールで予約を入れていた。最終回の今日も120人の定員を超えて超満員。

 開口一番は三遊亭ぐんま。子供の頃の運動会のお弁当がトラウマになっているというエピソードのマクラから、ネタおろしの新作落語。運動会の父兄参加競技に、おばあちゃんが参加して、騎馬戦にパン喰い競争に大活躍する噺。共稼ぎ家庭で、おばあちゃんに育てられたという、ぐんまらしい一席。

 三遊亭白鳥は二席だが、一席目のネタおろしは、「秘密」をテーマにした噺。友人のある秘密を聞かされた男は、あまりの凄い秘密に唖然としてしまう。酔った勢いでこの秘密を誰かに話してしまいかねない。合コンの席でも、話してしまいそうなので酒は飲まないでいた。しかしその合コンのあとで、その席にいた可愛い女の子と二人だけになったときに、その秘密をうっかり話してしまうと・・・。
 これはもう、かなり危ないネタなので、ネタ自体、とりあえず秘密にしておいた方がいいかも。「ほかにどこで演れる場所があるんだ?」と本人も言っていたが、凄い噺作っちゃったのね。一応演題は仮で『秘密の花園』だそうだ。

 仲入り後の二席目は、『落語の仮面第10話 走れ!元犬 真打への架け橋』。『落語の仮面』シーズン1の最後だそうだ。唐突に月日がたち、花はついに真打になる時期が近付いてくる。真打になるには真打昇進試験を通らなければならない。課題として与えられたのは『元犬』。野良犬の了見をどう表現するかを月影から試されるが、あえなく失敗。野良犬なんて今の時代どこにもいないから観察のしようもない。権爺を頼っていくと、秩父の山の中に行って野生動物を観察してみろと言われる。山奥に入っていく花だが、山の中で遭難してしまう。
 今回も、元の『ガラス仮面』からの引用が多いらしいのだが、まっく読んだことのない私にはさっぱりそのあたりはわからなかった。しかし噺としては面白くできている。これは元の噺の面白さなのかな?
 とりあえず真打になったところでシーズン1は終わった。はたしてシーズン2はあるのかどうかも未定だそうだ。まだ消化不良のところがあるから、シーズン2もゃってほしいところだが、さて、どうなることか。

12月17日記

静かなお喋り 12月16日

静かなお喋り


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