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客席放浪記

白酒ひとり

2014年1月13日
国立演芸場

 開口一番前座さんは三遊亭わん丈『八九升』。三遊亭で最初に教わる噺で、しかも、唖だのどもりだのの噺なので寄席では出来ない。滅多に耳に出来ないのでうれしいね。

 桃月庵白酒の一席目は、正月の楽屋風景から、噺家仲間の賭けの話になり、『そば清』に繋げる。この噺のキモは、いわゆる蛇含草の正体をどこでバラすかというところ。ギリギリまで引っ張って行かないとオチが面白くならない。白酒は、早くからバラして話を進めていく。こりじゃあ効果的にならないだろうにと思っていたら、サゲはまったく別の物になっていた。これ、白酒のオリジナルか?

 とうげつアンサーは、いつものとおりインターネットには差しさわりのある内容もあるので・・・。ただ、私が前回のアンケートで質問を書いておいたことに答えてくれたのはうれしかった。

 二席目は、前座時代は酒や煙草を禁じられていたが、自分の師匠は割と寛容だったという話から、弟弟子龍玉の酒癖の話になり、絡み酒は面白いと『ずっこけ』。白酒の酔っ払いはどこかカワイイよね。

 三席目が『明烏』。白酒のこの噺は若旦那が登場するところ、「てんとう虫を追いかけていくうちに迷子になってしまいました」と出てくるが、以前聴いたときは蝶々だった。どうやらトンボでやるときもあるようで、いろいろ変えてるみたい。今回は以前よりも二宮金次郎がやたらと強調されていたように思う。吉原の花魁たちにも二宮金次郎が電線して真面目になってしまい、たすけや源兵衛まで二宮金次郎の伝記を読まされる始末。もう、スラップスティックの度合いがマックスになってきている。『明烏』でこんなに笑ったのは初めてだ。

1月14日記

静かなお喋り 1月13日

静かなお喋り

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