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客席放浪記

白酒むふふ〜Vol.13

2016年5月10日
なかのZero小ホール

 
開口一番前座さんは桃月庵はまぐり『子ほめ』。前座修業頑張ってね。

 
桃月庵白酒、一席目は『馬の田楽』。この噺、私は小三治以外で聴くのは初めて。田舎ののんびりした噺で、小三治が演ると、台詞もの〜んびりしていて、この噺に出てくる味噌樽を乗せた馬を引いて現れる男のように、思わず眠りに引き込まれそうになる。小三治だと30分くらいかかる噺だが、白酒だとグッと短くなった。その分、退屈しない。いなくなった馬を捜す男が、通りかかった男に、馬を知らないかと尋ねると、の〜んびりした答えが返ってきて、要点だけを話してもらおうとすると相手が怒り出す様は、いかにも白酒らしい。お得意の聴き間違いギャグ、バルサミコ酢も冴えている。

 二席目、『今戸の狐』。これも聴いたのは何年振りだろ。この噺を持っている人は少ないはずで、滅多に聴く機会がない。白酒が演るとは思わなかった。昔の寄席で前座がクジを売っていて、今戸焼の人形を作っていたなんていう説明を入れなくてはならないし、苦労するほど面白い噺でもないせいで演じ手が少ないのかもしれない。博打と勘違いした男が前座宅を訪れるという、いわばアンジャッシュのコントの味わい。前座が今戸焼の狐を並べていくところが、ぽちゃとした白酒が演ると、やけに可笑しい。

 仲入り後はゲスト、栗コーダー・カルテット、三人のメンバー(なのになぜかカルテット)に、ビューティフルハミングバードからタバティが参加して、本当のカルテット編成。

 『ビタゴラスイッチのテーマ』
 『マヨネーズ第二番』
 『山形スクリームより、ボンネットバス』
 『ジョーズのテーマ』〜『スターウォーズより、帝国のマーチ』
 『イギリス民謡メドレー』

 実は今回の私のお目当ては、こちらの栗コーダー・カルテットの方。リコーダーを中心にした楽器編成だが、曲によって、チューバ、ピアニカ、ギター、ウクレレ、打楽器など、いろいろな楽器を操る。
 『ジョーズのテーマ』も『帝国のマーチ』もリコーダーで演奏するとかわいらしくなってしまう。赤ちゃん鮫や、二頭身のダースベイダーが出てきた感じ。

 三席目は『干物箱』。白酒にかかると、貸本屋の善公は無邪気な男って感じになる。もういかにも栗コーダー・カルテットの『帝国のマーチ』を面白がるような男とでもいったらいいのだろうか。若旦那が句会で作ったり聞いてきたものを文字にしてもらうものの、たどたどしくしか読めない。「お前本当に貸本屋か?」と言われる件、いかにもって感じでやたら可笑しい。

5月11日記

静かなお喋り 5月10日

静かなお喋り

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