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客席放浪記

桃月庵白酒独演会 白酒むふふ〜vol.16

2017年9月27日
なかのZero小ホール

 開口一番前座さんは桃月庵ひしもち『二人旅』。前座修行頑張ってね。

 桃月庵白酒、一席目は、寄席のワリの話や、代演がくるはずが連絡ミスで来なくて、ほかの芸人が少しずつ長く演って一人分埋めたという話など。なかなか面白いマクラが聞けてから『徳ちゃん』。廓で出てきた相手が上から120、180、120という相撲取り体形。「ほら抱け、ほら抱け」と迫って来る。「ぶつかり稽古かよ」には大笑い。

 二席目は、ある話題の人物を「温泉地のストリッパーの頑張り」と表現して、ストリップのマクラから、将棋の話、そして『笠碁』。碁が好きなくせにヘボでザルなジイさん二人。二人とも頑固なのに、碁を撃てる相手が、お互い同士しかいないというのが落語らしくて好きな噺。碁会所なんて行こうものなら相手が強すぎて話にならないというくらいのヘボとザル同士。「はなから十目も離されて、薄笑いを浮かべながら差してくるんだ」。碁が強くなりたいとは思ってないんだよね、この二人は。

 仲入り後に、柳家小春の粋曲。落語協会には所属していない方で、私は初めて観た。『春雨』の替え歌でチャプチェの作り方をやったり、『梅は咲いたか』の秋バージョンだとか、聴いていて面白いし飽きない。寄席に出て欲しいなぁ。

 三席目は『明烏』。時次郎が二宮金次郎を持ち出すのは定番だが、白酒はこれを引っぱる。悔し紛れに源兵衛と多助が、「二宮金次郎は本とマキを売っぱらって女郎買いに行ったんだ」「女郎買って、最後は女衒に゜なったんだぞ」と、いい加減なことを言う。かと思うと多助は女に、「これ読んでて」と二宮金次郎の伝記を渡され、一晩中読んでいて「心を入れ替えようか」なんて言い出す。一方で時次郎は翌朝「書を捨てよ、街に出よう」と言い出す。どちらも過ぎたるはなんとやら。

9月28日記

静かなお喋り 9月27日

静かなお喋り

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