J亭落語会 桃月庵白酒独演会 2017年12月1日 虎ノ門・JTアートホールアフィニス 別にこれといつて理由はないのだが、この白酒、三三、一之輔が月替わりで出る落語会には一度も行ったことがなかった。それがいよいよ「さよならJTホールシリーズ」となって、来年からは場所を別のところに変え、この三人の組み合わせの二人会の形で再出発することになったようだ。JTのビルに入るのはどうやらこれが最初で最後か。JTだけあって、エスカレーターの脇に広い喫煙スペースが設けられていて、多くの人が煙草を吸っている。煙い煙い。 開口一番前座さんは桃月庵はまぐりで『ざるや』。前座修行頑張ってね。 桃月庵白酒一席目は、コンビニの社員が大声でケータイで話しているのを聞いてしまったというマクラ。社内の内部事情がダダ漏れというのがわからないのかという思いと、自分たち落語家仲間も居酒屋で大声で内緒話しちゃいけないという教訓。いるよね、大声でケータイで喋っている人。 『万病円』。珍しい噺だ。三代目金馬がよくやっていたらしいが、演じ手は少ない。私も聴いたのは初めて。ケチで横暴な侍の噺。元はもっと長いらしい。白酒は、銭湯、餅菓子屋、紙屋、薬屋。面白い話だからみんなもっと演ればいいのに。 二席目は、旅の仕事に出ると土地のうまいものを食べるのが楽しみだといったマクラ。札幌はやはりラーメンだが、最近は利尻昆布を使ったり鰹節を使ったりで、ならばラーメンじゃなくて、そばでいいだろという話から『時そば』。 二番目の不味いそば屋は、不景気でメシが食えないと嘆く。「ワラでも齧るか・・・相談に乗ってください」とあまりに可哀想。そんなそば屋から一文掠ろうとするなよ。 仲入り後は、柳家ほたるで『湯屋番』。銭湯の仕事を紹介されて、居候の若旦那は「バンザーイ」と言って出かける。「白鳳じゃないんだから」 三席目。福山雅治は下ネタをやってもモテる。やっぱり「人は顔なんだろうか」というマクラから『おかめ団子』。白酒が取り上げるには笑いの少ない噺。マクラで福山雅治が落語をやったら、きっと『柳田格之進』みたいなカッコいい噺しかしないだろうというつぶやきは、『おかめ団子』みたいな人情噺をやる前のテレだったのかもしれない。 12月2日記 静かなお喋り 12月1日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |