第405回花形演芸会 3013年2月2日 国立演芸場 開口一番、前座さんは林家木りん『金明竹』。身長192cm。相撲取りの息子さんだそうだ。でっかいなぁ。前座修行頑張ってね。 春風亭昇々の『鈴ヶ森』。墨でヒゲを描くように言われた新入り、鼻の下にチョビヒゲを描く。「お前は、カトちゃんか! 45歳下の女性と結婚したんだぞ! ウチの師匠がうらやましがってるぞ!」 「去年の暮に足を捻挫しまして、ようやく正座ができるようになりました。師匠からも常々、『いつまでも修行しなけりゃいけないよ』と言われておりまして、なるほどこれが、捻挫、二ツ目、真打かと」と瀧川鯉橋は、例によって実家がやっていたラーメン屋、来来軒のことをマクラに『時そば』。 「最近泥棒にあいましてね」と益子が言いだす。「どうしたんだい」 「パクられたんですよ、私のヘヤスタイルが、AKB48の峯岸みなみに」 「坊主頭だろ。反省と謝罪で坊主にしたんだよ」 「おれは小学生のときからずっと坊主だよ。今までずっと反省と謝罪を続けてきたというわけかよ」 「それは好きでやってるんだろ」 U字工事の漫才だ。「宇都宮の餃子購入費が浜松に抜かれまして」 「しょうがないだろ」 「お前、郷土愛ないだろ」 「そんなことないよ、いちご好きだし。とちおとめ食べてるよ」 「おれなんかいちご好きで競馬でも1-5買っちゃうし、暗証番号も1515」 「言っちゃっていいのかよ」 春風亭柳朝の『寝床』は時間が押しているのか展開が早いなぁ。長屋に今夜の義太夫の会の都合を聞きに行っていた小僧さんが、長屋に死人が出て全員来られないことにしちゃう。店の者はみんな、二日酔いだ、胃痙攣だ、眼病だ、中には来来軒のラーメンに当たって食中毒だって、みーんな二階で寝てる。「うちは日赤病院じゃない!」 怒った旦那が「店立てだ!」と叫ぶと、突然、死人に注射を打ったら生き返って、本人までやってくる始末。賑やかな『寝床』だねぇ。 仲入り後はゲストの瀧川鯉昇。「猿が民家のあるところまで来るようになりまして、慣れたもので人間の真似をするんでしょうな。横断歩道を渡るとき片手を上げて通っていく。そのうち畑のカボチャを狙うようになる。畑からカボチャを盗んで腋に挟んで持っていくようになった。そのうち両脇に挟んで持っていく。すると猿は猿ですね、横断歩道に来ると・・・。さらにもうひとつを足で蹴りながら運んでいくんですね。これをフットサル・・・」 このなんともとぼけた味わいが鯉昇の持ち味。 『蒟蒻問答』が始まったが、鯉昇は浜松出身。U字工事の餃子の話に刺激を受けてか、出てきたのが蒟蒻屋ではなく餃子屋。そのまま餃子でやってしまった。どうやら二年ほど前からやっているらしい。今となっては蒟蒻より餃子の方がわかりやすいやね。 プログラムではクラウンとなっているふくろこうじ。スマートなスタイルの道化師芸、ジャグリング。帽子、ステッキ、デビル・スティック、シガーボックス。ひと言も喋らないけど、鮮やかなステージだ。 トリは柳亭左龍の『花筏』。関取の花筏に化けて地方巡業に出た提灯屋さん、太っているけどキシミヤ焼酎とモツの煮込みで酒太りの身体。地方の相撲自慢にでも敵うわけがない。一方地方相撲の横綱格の千鳥ヶ浜もプロの力士との闘いを止められている。こっそり客席で見ているところを見つかり、「私は三遊亭歌武蔵でございます」。ひょんなことから土俵に乗せられてしまった提灯屋さん勝手わからず、塩を撒いていると「花咲かじいさんじゃないや!」 大きな体型を上手く使った左龍の『花筏』は可笑しさいっぱい。 いつの日か、木りんでも相撲ネタを聴いてみたいと思う。 2月3日記 静かなお喋り 2月2日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |