直線上に配置

客席放浪記

天満天神繁昌亭昼の部

2017年9月19日

 露の瑞は女性。関西も女性の落語家が増えてきたらしい。『犬の目』を軽快にユーモラスに。

 笑福亭松五『手水廻し』。上方ネタだが、最近は東京でもやる人がいる。大阪から遠く離れた地方の人が「手水」という言葉を知らなくて、大阪の宿まで「手水」とは何かを探りに来る噺だが、地方の人まで大阪弁を使うというところが気になる。上方では別に普通にこの形で演じられているのかも知れない。

 「京都南座の一等席って、24,000円ですよ。私ね、こう見えても、いつも高い席で観させてもらってます。地上から高い席」。桂よね吉『豐竹屋』

 伏見龍水の曲独楽。最初に風車から入って、刃渡り、輪抜けと繋げる。紋之助と順番が違うのが面白い。

 桂わかば『いらち俥』。東京でいう『反対俥』だ。土地の名前が違うと、大阪をよく知らない私には距離感がわからない。

 露の慎悟『万金丹』。東京でもかからない噺ではないが珍しい噺。ここで聴けてよかった。

 仲入り後のクイツキが。夫婦楽団ジキジキ。大阪で『浦和』をやった。それこそ大阪の人は浦和を知らないだろうけれど、けっこう受けている。ノリでわかるのだろう。

 「歌舞伎の一等席は28,000円ですよ。そこへいくと繁昌亭は2,500円」と言ったところで、楽屋かせ鐘の音。「前の人がやったんですね」。桂米左『七段目』。東京のものと異なる部分は多いが、大きく違うのはサケ゜。七段目ではなく天辺。上方っぼいね。

 自分でお茶を持って高座に上がった桂三象、おもむろに茶を啜り、「セキが出るんでね、茶を飲みながらでないと・・・まだ一席(セキ)もやってないんですが」。噺は師匠文枝の『代参ー供養供養しましょう』

 トリが笑福亭三喬で、上方らしい噺『三十石』を聴かせてくれた。クライマックスの船頭歌は楽屋の人間も返してくる。それが実にいい声を聴かせてくれた。「そんなに上手く歌われたら、ワシが目立たん」。アハハハハ。

9月21日記

静かなお喋り 9月19日

静かなお喋り

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置