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客席放浪記

春風亭一之輔独演会

2013年3月30日
横浜にぎわい座

 開口一番前座さんは古今亭きょう介『からぬけ』。前座修行頑張ってね。

 春風亭ぴっかりは二ツ目になって一年とちょっと。前座時代のぽっぽの頃から人気があり、落語界ではちょっとしたアイドル的存在。高座に華があっていい。『鼓ヶ滝』とは、女性落語家らしい、うまい噺を見つけてきたものだ。声の通りもいいね。

 春風亭一之輔が出てきて、マクラで今日の楽屋での、ちょっとした事件について話す。
 落語家は高座に上がるときに必ず足袋を履く。私など、どうせ高座まで歩いて行くときと高座から楽屋に引き上げるときにしか、お客さんには足元は見えないわけだし、裸足でもいいんじゃないかと思うのだが、足袋を履くというのは厳しい決まり事になっているようだ。
 「足袋の右側だけ二枚持ってきてしまうことはありますが、これは裏返しに履けば左に履ける」 なるほど、なるほど。時に忘れてきた場合には白い靴下で間に合わせることもあるらしい。落語家の足元なんて注意して見たことがなかったが、細かい配慮をしているんだなぁ。
 一席目は、前座時代に仲間と花見をしたときのマクラから『花見の仇討』。「やあやあ、汝は悪山悪之助だな」 「そののまじゃないか! もっと他に考え付かなかったのかよ!?」 「じゃあ鈴々舎馬風」

 仲入り後は、自分の子供から、いろいろ教わることが多いと言うマクラから『子別れ・子は鎹』。なにしろ一之輔の『子は鎹』だから亀ちゃんも一筋縄じゃない。。
 久し振りに出会った亀ちゃんに、元気にしているかと訊くと、
 「何を言ってるんだい。子供ほったらかしにしやがってよ」
 酒は止めたんだと言えば、
 「なんで早く止めねえんだ。やればできるじゃねえか」
 鰻が好きだったろう。最近食べてるかと訊けば、
 「食ってるわけねえだろ、貧乏なんだから」
 子供の方が、一枚も二枚もウワテだね。

3月31日記

静かなお喋り 3月30日

静かなお喋り

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