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客席放浪記

コラアゲンはいごうまん・春風亭一之輔二人会

2014年6月16日
横浜にぎわい座・のげシャーレ

 前回、去年の暮の公演では、上の大きなホールだったのが、今回は地下の[のげシャーレ]。このことを見落としていた。前回は公演直前でも楽にチケットが取れたし、行ってみたら、客席も余裕があった。ならば今回も急いでチケットを押さえる必要もないだろうと思っていたのが甘かった。そろそろチケットを買おうかと、チケットぴあで申し込もうとしたら、会場が[のけシャーレ]。インターネットでアクセスしてみたら、チケットは売り切れ。いかん! ひょっとしたら、にぎわい座扱い分ならまだあるかもしれないと、にぎわい座に電話を入れてみたら、まだ残っていて、取り置き可能とのこと。危ない危ない。当日行ってみたら、狭い客席は満員。このくらい狭い方が、演者の顔も見やすいし、フリップなどもよく見える。これは、そういう密室芸のような性格のものかもしれない。

 まずは挨拶。一の輔が何気なく振った、“弟子”というキーワードから、実はコラアゲンはいごうまんに弟子志願の芸人がいるという話題を語りだして、これだけでも一本のネタになるほど。浅草の芸人パンゴハンマントンペーくん、ちょっと観てみたいな。

 春風亭一之輔一席目、『新聞記事』。なんか一之輔の手にかかると、こういった噺も俄然面白くなるな。男が天ぷら屋のタケさんが死んだと聞かされたあと、「でも犯人はすぐにあげられた。天ぷら屋だけにな」と続けてこの話自体が洒落だと理解しないので、何回も繰り返すと、「俺は悲しんでいるんだよ、うるせーな」と来る。「なにが『新聞お読みよ』だ。夕刊フジのくせに」と毒づき、それでも「オレも誰かにやってやろ」となる。相手はこの落とし噺を知ってて、わざとからかっている風がある。「そんな話、町内で三年前に流行って、みんなで、あげて、もらって、あげて、もらってしたんだ!」 う〜ん、やっぱりあげて貰わなくちゃだめなんだね。

 コラアゲンはいごうまんのネタは、前回は『ヤクザ組事務所に一ヶ月』。その前年に日本橋社会教育会館で観たときは『新興宗教入門』だった。今回は五つのネタを候補として挙げて、お客さんのリクエストの一番多かったものを口演することに。候補は『インドのスラムに潜入』『奴隷の入試を受験』『コラアゲンVS塀の中の懲りない面々』『コラアゲン版学問の勧め』『入れ墨サミットに参加』。中から選ばれたのは『奴隷の入試を受験』。女王様の奴隷になって来いとの指令を受けたコラアゲンはいごうまんがインターネット検索で、「奴隷になりたい」と打ち込んでヒットしたサイト。ここで言う女王様は職業として女王様になっているのではなく、ごく普通の一般人。メールでコンタクトを取ってみると、試験があるという。その試験たるや、鞭や蝋燭の実際の試験ではなく、もちろん筆記試験でもない。指定された日、指定された海岸に来て女王様と奴隷を捜せというものだった! いやいや、これは面白いわ。実際、試験に合格して踏み込んだ奴隷と女王様の世界とは。とても書けませ〜ん。この人の話を聴きたいなら、実際にライヴという名の、コラアゲンはいごうまんの秘密集会のようなものに行くっきゃない。コラアゲンはいごうまんの熱いトークを聴かなくちゃ。

 仲入り後、春風亭一之輔二席目『青菜』。一之輔のは一年前にも聴いてるな。タガメね。なんだかまた進化している感じ。御馳走になるところではコップで遊んでみたり、鯉のあらいのスミソに執着したり。スミソニアン博物館ね。『青菜』を40分飽きさせないで聴かせるというのは凄い事だ。

6月18日記

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