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客席放浪記

第三回春風亭一之輔・古今亭文菊二人会

2015年1月22日
日本橋劇場

 開口一番、前座さんは林家扇兵衛『金明竹』。大きな体の前座さん。前座修業頑張ってね。

 春風亭一之輔はマクドナルドのナゲツトのビニール片混入、ペヤングソース焼きそばの虫混入の話題をマクラに持ってきた。「マクドナルドもペヤングも大好きでよく食べますけどね、おいしいから。でもこういったものを食べ続けること自体が身体に悪いんじゃないですか? ソース焼きそばなんて熱湯かけて、さらに毒々しいソースかけるんですから消毒されてますよ」。そうだよなぁ。そこから『時そば』。二番目の不味いそば屋はなんとも上から目線の亭主。嫌なそば屋だね。破壊的な味のする汁を飲んで吐きだしてしまうところが可笑しい。しかも忘れて三回も。意識が飛ぶほどの不味い汁って何? しかも勘定の段になって二十文を請求される。「十六文じゃないのかい?」「余所は余所、うちはうちでやってんだ!」

 古今亭文菊はどちらかというと、余計なクスグリなどは入れず、正攻法の落語を丁寧に見せるタイプ。自分は三代続いた江戸っ子だが自由が丘生まれと言って笑わせて『三方一両損』へ。江戸っ子の意地の張り合いが楽しい。自由が丘でも十分に江戸っ子してるね。

 古今亭文菊の二席目は『湯屋番』。ひとりキチガイネタ。お客さんに受けないと、やってる落語家は落ち込んでくるそうだ。暖かい笑いが返ってきて、やはりこういう落語会では、いいネタ選び。

 春風亭一之輔の二席目は季節ネタということで『藪入り』。一之輔の『藪入り』を聴くのはこれで三回目。ねずみの懸賞の説明は無しで、いきなり落語に入った。説明は無しでも聴かせられるという自信の表れかもしれない。一之輔のマクラや噺に出てくる子供は、小憎らしい子供が多くて、それが楽しいのだが、こういう出来た子供というのも上手いね。一之輔にしてはあまりいじらずに、この噺を高座にかけている。あまりいじりようがない噺なのかも知れないな。

1月23日記

静かなお喋り 1月22日

静かなお喋り

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