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客席放浪記

コラアゲンはいごうまん・春風亭一之輔二人会

2016年5月31日
横浜にぎわい座

 挨拶でふたりが出てきて、一之輔がコラアゲンはいごうまんに、「ギャラいくら払ったら、みなさんがコラアゲンさんを呼ぶことができるんですか?」という問いに、具体的な金額はさすがに明かさないままで、「14年前に、横浜のサウナの休憩室で、2ステージ、交通費込み、2,000円という仕事があった」という話を締めた。東京から横浜に来るだけでもギャラの半分が飛んでしまうわけで、そんな仕事をブッキングした事務所もすごいけど、そんな営業を頼み込んでくる相手も鬼だねぇ。

 まずは春風亭一之輔が上がって、マクラは『笑点』の話題。人から次の『笑点』メンバーは一之輔さんでしょと言われて、オファーすら来ないですよと言っても信じてもらえなかった話。新メンバーが初登場する今月29日は青森で仕事をしていて、もしかして中継車がやってきて、落語をやっている最中に、「あなたが新メンバーです」と言われたらどうしようと思ったとか。
 噺は『宿屋の仇討ち』。江戸っ子三人組の騒がしさが上手く出た。それに対して侍の伊八を呼ぶ声が、だんだん大きくなっていくのが可笑しい。

 コラアゲンはいごうまんは、挨拶での営業の話に続けて、今までで一番やりにくかった現場の話。居酒屋の生け簀の上に板を敷いてステージにした場所でネタをやらされたんだとか。
 そこから、やはり苦戦を強いられた現場のことを語る『ニイタカヤマノボレ〜すみやかにお客様を笑顔にせよ〜』。これは最近出たコラアゲンはいごうまんの本『コレ、嘘みたいやけど全部ホンマの話やねん』に収録されている最初の話。自衛隊の駐屯地の演芸会に呼ばれて、何をやっても笑わないお客さんだと聞かされて、宴会責任者との、お客さんをどうやって笑わせるかの戦略会議と、本番の模様。本で読んだときは伝わりにくかったことが、やはりナマで聴くことができると、笑えるし泣けるし、感動を覚える。汗びっしょりになって語るコラアゲンはいごうまん。これだけ一生懸命語る人は珍しい。

 19冊用意してきたという本は、あっという間に売り切れ。「もっと持ってきても売れたのに」という声が、あちこちから聞こえた。本屋さんに行って買ってね。

6月1日記

静かなお喋り 5月31日

静かなお喋り

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