客席放浪記

コラアゲンはいごうまん・春風亭一之輔二人会 ２０１８年５月２３日 横浜にぎわい座・のげシャーレ 　この会も今回で10回目。オープニングトークに上がったふたりの会話もすっかり慣れたもの。今話題の日大アメフトチームの危険タックル事件に話が及び、日芸出身の一之輔が謝罪しながらも「日大っていっても巨大ですから。アメフトチームがあったなんて知らないし、監督もコーチも知らない」と一言。コラアゲンはいごうまんから「もし自分の師匠がら『あいつ潰してこい』と言われたら行きますか？」と質問されて、「行きますよ絶対！　でも、うちの師匠、誰からも恨み買わない人だから」。そうだよな〜。春風亭一朝って、温厚そうに人柄だもんな〜。 　春風亭一之輔は、次男と高尾山に登ったというマクラが、ほのぼのして楽しい。この人、よく家族の話をマクラでやるが、ほんとに落語に出てくるいたずらっ子そのままで、これだけでも一席の落語のよう。まるで『初天神』の親子みたいだもの。 　噺は『抜け雀』。この噺、一之輔にしてはあまりいじっておらず、そのままという感じ。親子の噺でもあって、それが親子で高尾山ら登ったというマクラとも繋がり、またこのあとのコラアゲンはいごうまんのネタにも受け継がれる。あとの出番を考慮したとしか思えない、邪魔をしない上手い前方に思えた。 　コラアゲンはいごうまんの『僕とオトンと時々イタコ』は、去年の７月に高円寺［パンディット］で初演されたもので、それは『静かなお喋り』の2018年７月２日付けに書いた。改めて聴いてみても、このネタはよくできている。とくに最後に芸人になったコラアケゲンはいごうまんを父親が心よく思っていなかったと思い込んでいたのが、兄の新証言で、まったくの誤解だったと知るというエピソードで心が温かくなり、そのあとにまた一転するという構成がうまい。 　エンディングトークで、コラアケゲンはいごうまんが一之輔ぬきでの横浜にぎわい座企画にふたつ出ることを、一之輔が祝福していた。いよいよ一本立ち。しかし「見捨てないでくださいよ〜」と言うコラアゲンはいごうまん。ふたりの関係はまだまだ続きそう。 ５月２４日記 静かなお喋り ５月２３日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る

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