直線上に配置

客席放浪記

池袋演芸場三月下席昼の部

2014年3月25日

 恒例、春の新作落語祭り。

 開口一番、前座さんは金原亭駒松『道具屋』。前座修業頑張ってね。

 三遊亭ぬう生は、主婦の初心者ドライバーの噺『おばさんドライバー』。右折が苦手で、左折を三回するとか、バックが苦手で一方通行に入ってもバックしないとか、車庫入れが出来なくて人に頼むとか、なんか実際にいそうだなぁ。

 古今亭駒次は鉄道マニアで、鉄道ネタをよく聴かせてくれるが、今日は自転車ネタ『初めての自転車』。子供に自転車の乗り方を教えるおとうさん。しかし、そのおとうさんも実は自転車に乗れないっていう噺。子供もカワイイけど、おとうさんもカワイイね。

 桂才賀は刑務所の諮問をライフワークにしている噺家。呉にある、とある信用金庫で実際にあった話『実録・金庫破りの源蔵』。金庫の開け方を書いてあるマニュアルを持ったまま、金庫に閉じ込められてしまった銀行員を助けるために、刑務所に入っていた金庫破りの達人を呼んだという珍事件。へえー、そんなことがあったんだねぇ。

 音楽パフォーマンスののだゆきは、初めて観た。ピアニカを頭で弾くというのは、ジキジキのデコ弾きと被るなぁ。それが『アメイジング・グレイス』というのは地味かも。後半のリコーダーを使ったネタの方が面白い。

 川柳つくし『十低の男』を聴くのは二回目。このサゲ、とても気に入っている。最初に聴いたときは「あっ!」となった。たくさんある落語でも、こんなサゲは今までひとつもなかったと思う。

 三遊亭白鳥『金のキョロちゃん』。これは聞き逃していた噺。ようやく出会えた。貧乏神の息子、貧太朗はプラスオーラの持ち主。これでは貧乏神としては役に立たないと、まるで繁盛していない、スーパー末廣亭に修行に出される。すると、商品の醤油はおいしくなる。白鳥のCDは小三治になる。アハハハハ。

 仲入り後に鈴々舎馬るこ。落語協会で二ツ目がこの位置に上がるのは珍しい。馬るこ、今、乗ってるからね。日本語学校に通っているミンミンちゃんが教科書の『桃太郎』を盛大に読み間違えする『日本語学校の桃太郎』

 林家正雀の噺、以前聴いた事があるなあと思って、家に帰ってから調べてみたら、2006年3月、やはりここ池袋演芸場だ。これは『皿留』という噺だった。インターネットを見てみると、それからも正雀は何回もかけているらしい。私は8年ぶりということになる。

 林家二楽の紙切り。お客さんからのお題は『桜』と『ウルトラマン』。

 トリは夢月亭清麿『もてたい』。定年退職を目前にしたおとうさんが、女性にチヤホヤされたくて整形手術をすると言いだす噺。小林旭みたいになりたいと言いだすが、それじゃあ全とっかえでいくらかかるかわからないなんて言われてる。しかも昔の小林旭ならいいけど、今の小林旭じゃあ、ヤクザ映画のイメージが強くてって、その通りだよね。

3月26日記

静かなお喋り 3月25日

静かなお喋り

このコーナーの表紙に戻る

トップ アイコンふりだしに戻る
直線上に配置