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客席放浪記

池袋演芸場二月中席

2017年2月16日

 昼夜入れ替えなしの[池袋演芸場]で一日過ごしてきた。
 向いの[ファミリーマート]で、おにぎりとサンドイッチを買って、いざ出陣。
 昼の部が始まるのを待ちながら、昼飯代わりのおにぎりを頬張る。

 開口一番前座さんは、三遊亭あんぱん『牛ほめ』。一生懸命な高座が高印象。前座修業頑張ってね。

 あんぱんの兄弟子に当たる三遊亭小笑『悋気の独楽』。ドスの効いた声のおかみさんが男みたい。これじゃあ旦那は浮気するわな。

 国分健二の漫談。東京に住む大阪弁の芸人。大阪の芸人さんの多くがやるように、東京と大阪の違いに関する漫談。「このネタ、浅草なら受けるのに」。浅草のお客さんは、とにかくよく笑うが、池袋は秘密クラブみたいなものだから、簡単には笑わないよ。

 食べたおにぎりで、この辺で睡魔が襲って来た。神田京子の講談、張り戦の音にも負けずウトウト。どんな噺だったか、まったく憶えていない。

 古今亭今輔『群馬伝説』。今輔の出身地群馬県人ならみんな知ってる上毛かるたに、都市伝説を組み合わせた、いかにも今輔らしい噺。

 東京太ゆめ子の、昔ながらの典型的な夫婦漫才。の〜んびりした空気が流れる。最近のやたら騒々しい漫才とは好対照。

 神田紫『お歌合わせ』。頓智頓才が効いた短歌の天才のお噺。

 古今亭寿輔は、例によって客いじりから『妻の酒』へ。

 鏡味味千代の太神楽。ひとつ毬、バチ、傘。

 三笑亭夢丸『だくだく』。「そこに仏壇の絵を描いてください。その下に聖書とコーラン」。

 桂小文治『虱茶屋』。最近、この噺やる人減ったなぁ。

 檜山うめ吉の粋曲。小唄『水の深さ』と『お清しゃもじ』。新内『蘭蝶』から有名な前引きと「縁でこそあれ末かけて」の十二文字。立ち上がって踊り『春雨』。

 昼の部のトリは三遊亭笑遊。「最近、うちの向いの公園で、夏になってもセミが鳴かないと思っていたら、セミが鳴かないんじゃなくて、こっちが耳が遠くなって聞こえないの」。う〜ん、私の家の近くでも最近聞こえないなぁと思っていたけど、私も耳が遠くなったのかなぁ。でも近所の工事の音は、やたらとうるさく聞こえる。
 演目は『片棒』。長男も次男も勝手なことばかり言うで、キレるケチンボな父親、「うるさーい!」 「バカー!」
 「お前みたいなバカはエジプトへ行けー!」 「「ムバラクお待ちください」。

 昼の部終了。ロビーの自販機に缶コーヒーを買いに行ったら、夜の部に出る松之丞が楽屋入りするところ。松之丞の姿を見た笑遊の「おおーっ、久しぶりじゃないか」の大きな声が聞こえる。

 夜の部の開口一番は、春風亭べん橋『堀之内』。前座修業頑張ってね。

 神田松之丞は、「池袋演芸場、私は二年ぶり。干されていたんじゃないかと・・・。今日はどうやらトリがうちの師匠何で、バーターで入れて貰えた」とか、「今、楽屋で笑遊師匠に会いまして、このあと[甘太郎]で飲んでいるから、お前も来いと言われてまして・・・」なんてマクラを長々とやっていたら、持ち時間あと9分。そこから渾身の『和田平助』。凄ぇー!

 マグナム小林のヴァイオリン漫談。タップを踏みながら弾くネタでは『ラデツキー行進曲』も。へえー、こんなネタも持っているんだ。

 春風亭昇乃進の代演で三遊亭遊喜『熊の皮』

 三遊亭とん馬『雑俳』。「お前は俳句を吐いたことあるかいは?」 ゜ええ、池袋演芸場のあと。裏の[南国]で飲みまして、気持ち悪くなって、有楽町の駅で吐きました」。短めの『雑俳』にして、立ち上がって、かっぽれ。

 宮田陽昇
の漫才。日本地図のネタが有名だが、アフリカの地図というのもやっていた。「一番下にある国、何だっけなぁ」 「ほら、アタマに南が付く国だよ。昔、アパルトヘイトが問題になって、治安が悪いと言われた・・・」 「ああ、南千住商店街!」

 桂文治『たいこ腹』。幇間の一八を呼んでくれと若旦那。「あら、芸者なしで男一人ですか? そういう趣味がおありで」 「ただでさえオレは、そういうウワサあるんだから!」

 仲トリは三笑亭茶楽『紙入れ』
 昼から聴いていると、さすがに疲れてきた。もう少しだ。

 マジックジェミーのマジック。ウムム、ESPカードを使ったマジック、タネが見抜けない。

 神田鯉栄『那須与一 扇の的』。こういう迫力のある噺、この人上手いねぇー。

 桂歌春
は、の入浴剤のマクラから『強情灸』
 あと二本。

 ボンボンブラザース。帽子、いつもの赤いやつじゃなくて、今日は黒いの一個だけ。

 トリの神田松鯉、この五日間は名優伝て、今日は『名人小団治』。大坂でしくじった米十郎という役者が、東京に戻り、18年後に立派な役者に成長するという噺。

 疲れたー!
 仕事じゃなくても8時間は疲れる。

2月17日記

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