柳家一琴の会 2013年2月17日 らくごカフェ 毎月一回のペースで開かれている会。通常は一琴ひとりで三席らしいのだが、このところゲストを入れて一琴は二席という形が続いているようだ。今日は小宮孝泰ゲストの日。 一席目は、柳家一琴の『崇徳院』。 らくごカフェはもうオープンして随分と経つが来たのは初めて。小さな小屋だから高座との距離が近い。二列目の席に座れたから演者の顔の表情がよく見える。やはり落語は至近距離で観るのがベスト。顔の表情がはっきり見えるのと見えないのとでは格段の違いが出てしまう。一琴の顔は表情をつけるためによく動く。そのユーモラスな表情が武器になる。顔芸は柳家のお家芸ともいえる。一琴のまあるい顔は、先代小さんを思わせるところもあり、これからも楽しみな噺家さんだ。 小宮孝泰の『長短』はネタおろし。 マクラの、コント赤信号のメンバーや役者仲間の性格を「一言で言うと」とズバリ核心を突いた性格分析が面白い。 気の長い長さんをあまり臭くなく演ってみせたところが好印象。この噺、いかになんでもそんな人いないよと思わせるほど臭く気の長い性格の長さんを演じる人にぶつかるが、小宮のは、「ああ、こういう人っているよな」と思えてくる。 最後の畳み掛けがよかった。短七さんの剣幕に長さん「文字数からいっても圧倒的に(あなたの方が)多いんだから、ゆっくり言わせてくれよ」には笑った、笑った。 トリの柳家一琴『小言幸兵衛』は、最近私が特に好きになってきている噺。やはり私自身がそういう年になってきているのだろう。実際に誰かに小言を言うわけではないが、心の中で世の中の事に文句ばかり言っているようなところがある。干してある布巾が落ちても自分では拾いにいかないくせに、人に取りに行かせ、洗わせ、干し方までいちいち文句を言う。わかるんだよなぁ、こういうの。特に昔のじいさんって、みんなこうだったんだ。 妄想芝居の宗旨の部分は、天理教。結構長くお題目を唱えて見せてくれて客席から拍手が起こる。「よく御存じで」と言われて、大家の幸兵衛「うちも天理教なんだい!」 以前は、浜町一琴の会というのがあって、よく寄らせて頂いていたのだが、このところ活動休止状態。早く復活して欲しいなぁ。 2月18日記 静かなお喋り 2月17日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |