落語黙示録−第四章ー古今亭今輔ひとり会 2014年2月22日 なかの芸能小劇場 開口一番、前座さんは今輔の弟子の古今亭今いちで『寿限無』。おっ、さすが今輔の弟子だけあって後半はどうやら創作らしい。成長した寿限無くんのその後の人生。面白い面白い。 古今亭今輔、最初の二席は寄席用に作った短めの噺。『だまされたふり作戦』はオレオレ詐欺にだまされたふりをして、犯人を捕まえてしまおうという警察がやっているおとり捜査を題材にした噺。もちろん落語世界の詐欺師だから、そうとうにまぬけ。これにひっかかるような詐欺師は現実にはいないだろうが、これが落語。サゲも『粗忽長屋』風だった。 『魔球親子』は、息子をプロ野球選手にしたいおとうさんが、息子に、自分の考案したさまざまな魔球のアイデアを披露する噺。そういえば私も小学生のころ。いろんな魔球を考えてたっけ。ギャグマンガのような世界に浸れる噺。 古典コーナー。『もう半分』。先代も得意とした怪談噺。あえてこの噺に挑戦した志やよし。いつものギャグを封印。キッチリと語ってみせた。けっこう怖かった。 仲入り後の『ペトロフの決断』は、1983年に実際にあった、ソ連のスタニスラフ・ペトロフが、コンピューターがアメリカが核弾頭ミサイルを撃ったとする警報を、コンピューターの誤作動と判断して核戦争に発展する危機を回避したという事件をベースにしている。とはいえ、アプローチの仕方がいかにも落語的で面白い。ミサイルかコンピューターの誤作動かで緊迫する中、群馬県の中学生が自販機のエロ本を買おうとしていて、決断をせまられているという、バカバカしいっちゃ、バカバカしい噺。『ガーコン』のオチが延々と続く感じ。いいなぁ、これ。今輔らしくて。 2月25日記 静かなお喋り 2月22日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |