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客席放浪記

読売あいえす寄席

2016年10月8日
読売IS

 今年も千円で観られる格安の地域寄席『読売あいえす寄席』へ。やはり客層は近所の高齢者が中心。

 前座さんの一番太鼓に迎えられて入場。
 さらに開演前に、もう一度お客さんの前で一番太鼓を、桃月庵はまぐりが叩いてみせてくれた。
 袖に下がると、どうやらもうひとり前座さんが詰めているみたいで、〆太鼓と一緒に二番太鼓。
 「お客さんの前で一番太鼓を叩くことはないので緊張しました」と挨拶して『手紙無筆』。前座修業頑張ってね。

 今年の昼の部は、春風亭一之輔
 踊りの稽古に通っていたら、おさらい会に出されて、踊り始めてものの2分で舞台袖からタオルが飛んできて、デビュー戦TKO負けをくらったと笑わせて一席路は『あくび指南』。おお! またまた進化を遂げているぞ。あくび指南の先生が男だとわかって、急に物言いが攻撃的になる男とか、あくびの手本を見て急に「これぞ自分が長年求めていたものだ」と言い出したりとか。これがやけに可笑しい。稽古が始まると、「景気づけに一度大きな声を出さないと台詞が出ない」と、必ず一度「デーン!」と叫んでから始めるとか、こういう発想、すごい!

 「モノマネは、観察、分析、批評が大切」と、形態模写の丸山おさむが始めた最初の物真似は、さるやんごとなきお方の物真似からスタート。『昭和歌謡史』と銘打たれた高座は、美空ひばり、小林旭、橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦、中川きよし・・・と続いて行く。会場のお客さんの年齢に合っているが、やがて吉田拓郎、井上陽水あたりまでが登場。田中角栄で〆た。

 一之輔の二席目は『明烏』。弾けまくった『あくび指南』を聴いた後では、『明烏』はなんだか物足りなく感じてしまった。とてもいい出来の『明烏』ではあるのだけれど、一之輔というと、ぶっとんだキャラクターを期待してしまうこちらが悪いのだろうけれど。

10月9日記

静かなお喋り 10月8日

静かなお喋り

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