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客席放浪記

いやおうなしに

2015年2月25日
Parco劇場

 脚本が福原充則だというくらいの理由でチケットを買ったんだと思う。あとは古田新太、高田聖子の劇団☆新感線組が出ているのと、小泉今日子が出るということくらいかな。どんな芝居なのか、予備知識はまったくなかった。

 家を出る時オペラグラスを忘れてしまって「しまった!」と思ったけれど、劇場に着いてチケットを取り出してみたら最前列。それもセンターブロック。私、どの辺の席が取れたのか無頓着な傾向があるんだよね。

 定刻通り芝居が始まって、いきなり古田新太が高田聖子のおっぱいを掴む場面。最前列に座って観ていると気恥ずかしくなってしまう。海老名のホルモン焼き屋という設定。古田新太と小泉今日子が夫婦で、高畑充希がその娘。高田聖子がパートの主婦。それに高田の夫役として三宅弘城、といった配役。物語はあるような無いような、いや、あることはあるのだけれど不思議なお芝居。というのも、この芝居、面影ラッキーホールの曲が十数曲使われていて、舞台でそれらの曲を出演者が歌い踊る。その曲に合わせた形で物語が進行して行くという構成だからストーリーを追うよりも歌と踊りを楽しめばいいような気がする。歌謡ファンク喜劇なんだそうだ。

 私、不勉強なことに今まで一度も、面影ラッキーホールの曲を聴いたことが無かった。なるほど、これはソウルやファンクをベースに、そこに歌謡曲をブレンドさせたとでもいうような音楽。知らず知らずにこの音楽に引き込まれてしまった。特に歌の場面になると役者は舞台の一番前まで出てくるから、最前列に座っている私とは手が届きそうな位置で、役者が歌い踊る。こんな贅沢な経験をしたのは初めて。特に『今夜、巣鴨で』は、小泉今日子、高田聖子、高畑充希のきれいどころ三人が、それぞれ、赤、紫、緑のかわいいドレス姿で、代わる代わるリードヴォーカルをとり、歌い踊る華やかなナンバー。私の真正面2m以内のところに小泉今日子が立ってポーズをとった時にはドキドキしてしまった。

 カーテンコールのときも中央に古田新太で、上手に小泉、高田、高畑というトリオが並んだ。中央よりやや上手よりの私はこの三人の正面。すごく幸せな気分。

 帰りに売店で面影ラッキーホール(現在は、Only Love Hurts という名前で活動しているらしい)のベスト盤CDを買ってしまった。もちろん『今夜、巣鴨で』も入っていた。

 この舞台、DVDが出るといいなぁ。絶対に欲しい!

2月26日記

静かなお喋り 2月26日

静かなお喋り

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