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客席放浪記

かもめんたる第17回単独ライブ
なのに、ハードボイルド


2016年2月28日
新宿・シアターモリエール

 前回から構成協力にヨーロッパ企画の上田誠が加わって、今回はさらにシュールで演劇的になったという印象。

*オープニングコント。ハードボイルドを気取った探偵(岩崎)が、電話を貰って会いに行った依頼人(槇尾)は妙齢の女性。この女性から窓の外の向こう側から、誰かに見られていると相談される。探偵が窓のカーテンを開けたところでタイトル映像。コントライブが始まる。

*テレビの取材スタッフ(槇尾)が、大根づくり農家の男(岩崎)と段取りの打ち合わせ中。なかなかこだわりのあるお百姓さんで、不自然な流れを嫌って、取材される側からの注文がやたら多い。やがてだんだん少し険悪なムードになっていき、男はスタッフに鼻糞を投げつける。その鼻糞が口の中に入ってしまったことから、スタッフはキレてしまう。

*契約を取り付けて帰社した営業マン(槇尾)。先輩(岩崎)から、プレゼンの途中で蛇に噛まれたそうじゃないかと言われる。どうもこの男、契約を取り付けるときだけでなく、今までの人生で何回も蛇に噛まれ、そのたびに同情をかったりして、いい方に人生を歩んできている。先輩は、この男は蛇をいつも持ち歩いていて、要所要所でわざと蛇に噛みつかせているんだと見破る。

*ヒッチハイクでトラックに乗せてもらった男(槇尾)。ところがこの運転手(岩崎)、運転しながら冗談ばかり言う。それが度を越していて、いささかうざい。この運転手は、あまりのうざさにヒッチハイカーが辟易するのを見て楽しむ異常者だった。

*カレシからの電話を受ける女(槇尾)。と、そこにカレシが送った念(岩崎)が現れる。この念はカレシそっくりの顔かたちをしているが、表情も動きも実際のカレシとは大きく異なっていた。

*オカマ(岩崎)とオナベ(槇尾)の同居生活。ふたりはさ些細なことで喧嘩に至る。

*会社の先輩(槇尾)が後輩(岩崎)に草野球チームに入らないかと誘う。後輩は、実は自分は元プロ野球選手だったが、あるとき他人に身体を入れ替えさせられたと言い出す。

*エンディングコント。オープニングで知り合った探偵と依頼人の女性。探偵はすっかり女性に洗脳され、ハードボイルドを抜かれ、鼻糞音頭を躍らせている。女はハードボイルドはものの見方なのだと諭す。どんな滑稽な状況でも言い方、書き方でハードボイルドになるのだと言い、例をみせる。ハードボイルド文体教室が始まる。
 最後に「まるで悪い夢を見ているようだった」を付ければ、大概ハードボイルドになるというのには笑ったなぁ。

 全部で二時間ほどのあったコント公演。もともとシュールで演劇的なコントの傾向があったかもめんたるだが、これからもこの路線で行くのだろうか? ほかのコンビとの差別化はいいと思うのだが、あんまりシュールさが増すとお客さんが付いてくるかどうか・・・。難しいところに来ている気がした。

2月29日記

静かなお喋り 2月28日

静かなお喋り

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