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客席放浪記

講談きりり落語ほんわか二師弟の会

2018年6月18日
イイノホール

 講談の神田松鯉・松之丞、落語の瀧川鯉昇・鯉八のダブル師弟の会。
 四人によるオーブニングトークは。弟子の側から、「入門志願された時のことを憶えていますか?」。ふたりとも「ほとんど憶えていない」と言いながらも、実はちゃんと憶えているようで、入門当時のことをバラされて、逆に恥ずかしそうにしていたりして、いい師弟関係だな〜と思わせる一幕も。

 神田松之丞は相撲の噺をすると言って、谷風について話し始めたから『谷風情相撲』かと思ったら、『寛政力士伝 橋場の長吉』という噺。
 ヤクザ者の橋場の長吉が、土俵の前で谷風の前を横切ったことから、怒った谷風が長吉を投げ飛ばしてしまう。それを見ていた子分たちの気が収まらない。長吉は「谷風を刺す」と息巻く子分を押さえ、船頭に化けて谷風を船に乗せて大川を漕ぎ出す。
 あとから思い直すと、いろいろツッコミどころのある噺だが、松之丞の勢いで持って行ってしまった。講談ってそういうの多いね。

 オープニングのトークで実は最初は講釈師になりたかったと語っていた瀧川鯉昇。今の芸風を思うと意外。
 『茶の湯』は、今の時代には無くなってしまったものがいろいろ出てくるが、割り切ってアレンジを加えた。「青ぎなこ」は残したが、茶をたてる過程で、それでは足りないと絵具を投入。「むくの皮」も「洗剤」にしてしまっているし、「ともし油」も「ミシン油」に変えた。こっちの方が噺を止めて説明を加える必要もないのでスムーズに進む。流れを止めて昔の風情を残すか、止めないで笑いを取るか、難しい問題。

 仲入り後、瀧川鯉八『やぶのなか』
 この噺を聴くのは四回目くらいか。この噺のマクラに出てくる人物を以前は小三治にしていたと記憶しているが、今日は歌丸だった。
 落語の文法から外れた構成の噺で、最初に聴いたときはまったくついて行けなかったのだが、私の方がこの噺にだいぶ慣れてきて、面白く聴けるようになってきた。

 トリは神田松鯉『天保六歌撰 河内山宗俊 松江公玄関先の場』。私は歌舞伎を見ないので知らなかったが、あとから有名な演目であることを知った。いかにもな河内山宗俊噺。
 そういえば昔、勝新太郎主演で『痛快河内山宗俊』というテレビドラマシリーズがあったな〜と思って検索していたら、昨年BSフジでまた放映してたんだね。残念!

6月20日記

静かなお喋り 6月18日

静かなお喋り

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