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客席放浪記

2012年6月29日第24回きたくなるまち区民寄席(北とぴあ・さくらホール)

 開口一番前座さんは三遊亭小曲『寿限無』。頑張ってね。

 第22回北とぴあ若手落語家競演会で大賞を受賞した柳家さん弥。授賞式での裏話をマクラに『唐茄子屋』

 「10日で15キロ痩せるという泊りがけの断食道場に行って来まして、17キロ痩せました。もっともリバウンドというんですか、帰りの電車で食べまくって東京に着くまでに4キロ太りました」 三遊亭円橘『粗忽の釘』

 立川談笑が、昨年死んだ師匠談志のことをマクラに「ケチの噺をします」と『片棒』。長男はなんとオカマという設定。長男と次男の贅沢な葬式構想も談笑らしい。葬式に出す酒の種類もウンチクがある。葬式に銀座のホステスやら、錦糸町のフィリピンパブのホステスは呼ぶは、泣き女は呼ぶは、麻薬関係まで飛び出し、危ない危ない。果てはエレクトリカルパレードで送る。談志も飛び出して「金をくれー!」

 仲入り後は、春風亭百栄。お得意のドライブ中に警官に停められた夫婦の小噺から『トンビの夫婦』へ。こういう少々アブナイ噺も百栄にかかると、あまり嫌な感じにならず、アハハハハと笑って聴ける。これなんだよね、落語の凄いところは。

 鏡味正二郎の太神楽をヒザに、立川志の輔。「怒り、泣きという感情は誰でも共通に起こるものなんです。ところが笑いというのは人それぞれによって感じ方が違う」と、小噺をいくつか披露してみせる。「どれが面白いかは人によって違うでしょ。落語はこれに、情というものが入ります」と『新・八五郎出世』。志の輔はもう長い事この噺をやっているが、細かいところが折にふれ、変わってきている。常に流れているこの噺。これが談志の立川流なんだよなあ。

7月1日記

静かなお喋り 6月29日

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