恋と音楽U〜僕と彼女はマネージャー〜 2014年6月21日 PARCO劇場 まったく興味が無く、公演自体も知らなかったもの。突然行かれなくなった人から買い取り依頼を受けて、チケットを手にしたものの、ミュージカル。しかも稲垣吾郎主演。ミュージカルは苦手だし、稲垣吾郎となると、さらに興味が湧いてこない。しかし10000円したチケットだし、無駄にしてしまうのもはばかられる。劇場に行ってみれば案の定、客席は女性客でいっぱい。男性客の占める割合は、きわめて少ない。お笑いライヴでこういうことには慣れているとはいえ、かなりなアウェイムード。なにかこの作品と私の接点は無いだろうかと思いながら席に着く。 と、開演前だというのに、舞台ではスタンダードジャズの生演奏が始まっていた。ピアノ、ギター、ヴァイオリン、ベース、ドラムスのクインテット。渡されたフライヤーを眺めながら、音楽に耳を澄ませていると、ピアノのソロがなかなか面白いフレーズを叩いている。へぇーと思って顔を上げて、バンドを観てみると、げげっ、ピアノ、佐山雅弘じゃないの! ジヤズ畑の人だけど、以前よくブルースのセッションなんかにも加わっていた人で、面白いメロディーを書く人。あれー、ドラムス叩いているのは、はにわこと、仙波清彦じゃん。えっ、あのベース、ひょっとしてバカボン鈴木? 慌てて、チケットを見たらそのとおり。ちなみにヴァイオリンは高橋香織で、ギターが三好“3吉”功郎って、これ、日本のジャズの精鋭の集まりじゃないの。すごいね、これ。 作・演出が鈴木聡。おいおい、ラッパ屋の鈴木聡かよ。なんと豪華な。 稲垣吾郎、真飛聖、相島一之の三人は、二十代半ばのころ、普通の会社員だったが、ミュージカルに憧れて、ミュージカル・スクールに入る。一生懸命に努力するもののミュージカルの俳優になることは諦め、彼らはバラバラに去っていく。 真飛聖は宝塚出身。踊りも歌もお手の物だ。相島一之は三谷幸喜の東京サンシャインボーイズ出身。芝居は確かなものがある。劇中でブルースハープを披露してくれるところも二ヶ所ほどあり。 それから13年の月日が経つ。相島一之はミュージカルが忘れられず、俳優への道は諦めたが、演出助手の道を歩いている。今回も小林隆、北村岳子のベテランスターを使ってミュージカルの舞台の準備をしている最中。そこに、ふたりのベテラン俳優のそれぞれのマネージャーとして稲垣吾郎と真飛聖が現れる。 まぁ、物語としてはミュージカルの予定調和みたいな展開で、これといって目新しいものはない。それでもさすが音楽が佐山雅弘。耳に残る曲が多い。それに演奏するのが、この面子だもの。つまらないわけがない。 ミュージカルは苦手だけど、これ、サントラ出してくれないかなあ。 6月22日記 静かなお喋り 6月21日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |