高校中パニック!小激突!! 2013年12月25日 PARCO劇場 宮藤官九郎、今年は映画が脚本を担当した『謝罪の王様』と、監督までやった『中学生円山』、そして何と言っても『あまちゃん』で大ブレーク。すっかり注目されたが、本来のホームグウンド、舞台はというとこの年末に来て、PARCO劇場との提携、大パルコ人の二作目『高校中パニック!小激突!!』。 あまりに優等生的な脚本だった『あまちゃん』の反動なのか、こちらはもう、ほとんどバカ。最大級の褒め言葉でバカやってる。なにせタイトルの前に、バカロックオペラバカだって。バカが二つ付いちゃうくらいにバカ。一応近未来の話なのだが、物凄く昭和している。渋谷にあるふたつの不良高校の抗争で、出てくる高校生、バカばっかり。六三三制では足りないともっと教育期間を長くしたものだから、高校卒業して社会に出たときには27歳という社会になっている。こんなバカに十年も多く学ばせたって、しょーがないじゃんという感じなのだが、ここから大学行ったら、社会に出るのって30歳超えているってこと? とにかくバカばかりの登場人物たちがガチャガチャやってて、ストーリーも一応あるのだけど、どうでもいい感じ。そんなことよりも第一部80分、第二部80分、計2時間40分、バカとロックに圧倒される。クドカンは脚本・演出以外にも役者として出ていて、さらに音楽を演奏する場面ではエレキ・ギターを弾く。なんなんだ、このパワーは。ドラムスはもちろん三宅弘城。いわばグループ魂の延長みたいなもの。しかしいいドラムを叩くなぁ、この人は。ベースは、元Japan-狂撃-Specialの、よーかいくん。もう、そんじょそこらのロックバンドよりも音は厚い。それをバックに出演者がそれぞれ歌を歌っていく。 またみんな歌が上手いんだ。氣志團の綾小路翔は『木更津キャッツアイ』からの流れでの出演かも知れないが、よく知らない役者さんたちも上手いわ。 一応、主役は佐藤隆太なんだろうけど、その相手役になる勝地涼(『あまちゃん』の前髪クネ男で、あっと言わせた)も同じくらいの存在感がある。もちろん一番目立っているのが皆川猿時。この人、どうもアドリブもかなり入っているようで、共演者が笑ってしまっている。坂井真紀とプリキュアネタで絡むところでは、坂井真紀が笑ってしまって台詞にならないほど。もうひとりの女優さん、川島海荷はまだティーンエイジャー。若くて可愛い子だけど、芝居も上手いねぇ。 客席に乱入しての客いじりも何回かあった。中でも『あまちゃん』の「その火を飛び越えてこい」をお客さんを使ってパロディにしてしまったのが可笑しい。 休憩中にロビーの物販コーナーで、前回の『メカロックオペラ R2C2 〜サイボーグなのでバンド辞めます〜』のCD付き写真集が売っていたので購入。ここで演奏されたロック、使い捨てじゃもったいない。『高校中パニック!小激突!!』も、そのうちにCD付きで売って欲しいなぁ。絶対買うから。 12月26日記 静かなお喋り 12月25日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |