らくご街道 雲助五拾三次之内〜惨劇〜 2013年8月2日 日本橋劇場 三遊亭円朝『緑林門松竹(みどりのはやしかどのまつたけ)』という長い噺の中から、『新助市』と『おすわ殺し』を五街道雲助が、途中仲入りを挟んで。 前座さんの噺は無くて、前座さんが出てきて高座の左右にある蝋燭に火を点ける。場内が暗くなって、五街道雲助が出てくる。その独特の、ひょいひょいという歩き方で暗い場内でも、「あっ! いきなり雲助からだ」とわかるる。 仲入り後の『おすわ殺し』は、2009年の圓朝祭で、やはり雲助で聴いていて、あのときは何やら血生臭い噺だなぁと思ったものの、なんだかよくわからなかった。もともと長い噺のごく一部とはいえ、あれだけでは、そういう感想を持つくらいしかなかったというのが、今回聴いての思い。もっとも、その前の噺になる『新助市』が加えられたところで、相変わらず血生臭い噺に終始するのは変わりは無いのだが、やはり膨らみが違う。 旦那のお供をして妾のところへ行く田舎者の新助。この道中で新助が旦那に語る身の上話が、深刻でありながら、どこか呑気なところがありホンワリしていて、気楽に聴いていたら・・・。妾宅に旦那を置いて店に戻った新助が豹変するのには驚いた。そこから続く殺しの場面の凄惨な描写には思わず、ぞっとした。ええーっ! 殺しちゃうんだ。この『新助市』に約75分。 後半の『おすわ殺し』は約30分。4年前に聴いたとはいえ、もうだいぶ忘れていた。とはいえ、そうか、そう繋がるのかという個所がいくつかあって、ようやく合点がいった。この『おすわ殺し』もかなり凄惨な噺で、私の頭に浮かぶ殺害シーンは、かなりスプラッター。うわー、このあとどうなっちゃうの。というところでオシマイ。 雲助が、真打の名前の由来になったという、蝋燭の芯を打って消し、真っ暗闇に。 夏の夜にふさわしい、こわ〜い噺でございました。 8月3日記 静かなお喋り 8月2日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |