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客席放浪記

喬太郎・三平勉強会

2013年6月19日
らくごカフェ

 開口一番は、二ツ目に昇進したばかりだという林家まめ平『犬の目』。犬の目を取り出す音は、犬だけにグリグリドッグン。

 柳家喬太郎の一席目は『そば清』。先日兄弟弟子の柳亭左龍のものを聴いたときは、同じ師匠の柳家さん喬の影響をかなり受けた『そば清』だと感じたが、喬太郎はアレンジしているなと感じた。弁当箱と梅干しの例えなどというのはサッパリ削ってしまい、そんなことは言わなくてもわかるだろうと客に任せてしまっている。清さんの「ど〜も〜」もその時によって言い方が変わる。なるほど〜。

 林家三平の一席目は漫談に終始した。親父さんゆずりの芸風というのは、それでいいと思う。ダジャレに頼らないのも好感が持てる。ただ欲を言えばリズムかなぁ。これで笑いにリズムが生まれればもっと面白くなりそう。

 仲いり後、林家三平『愛宕山』。勉強会というのだから、おそらくネタおろしだろう。これもねぇ、まだかけたばかりだから、これからなんだろうけれど、リズムなんだよなぁ。太鼓持ちが出てくる噺は特に幇間の喋り方のリズムで聴かせて欲しい。そうしないと、この噺なんて傘を持って崖から飛び降りたり、竹のしなりで飛び上がってきたりという荒唐無稽な可笑しさなんだから、それがイマイチ浮き上がって来ない。これから何回かかけているうちに良くなっていくんだろうね。

 柳家喬太郎の方もどうやらネタおろしらしい。『名人長二』は喬太郎では『幸兵衛殺し』をもう10年以上前に聴いたことが一度あるだけ。今日は『仏壇叩き』だ。
 今から思い返しても、あの『幸兵衛殺し』は凄い迫力だった。会場がそのまま殺人現場という錯覚を覚えさせるような生々しさ。ひょっとして喬太郎、この『仏壇叩き』をふりだしに『名人長二』を通しでやることを思い立ったのかもしれない。だとしたら楽しみではないか。特にあの『幸兵衛殺し』をまた聴いてみたい。

6月20日記

静かなお喋り 6月19日

静かなお喋り

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