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客席放浪記

喬太郎、三三、桃太郎三人会

2016年4月8日
日本橋劇場

 開口一番、前座さんは笑福亭希光『のめる』。前座修業頑張ってね。

 今日のお客さんは、落語に詳しい人が多いと見たのか、昔々亭桃太郎がマクラで、落語界のある人のことについて話し始めた。桃太郎は年末の『落語界、うわさの真相』でも<、内緒話ともとれる爆弾発言をしている。今日の話も面白さ抜群なのだが、ちょっとネットには書けない。
 今日は病院から一時退院してきている人のリクエストだからと『勘定板』。この手のしょんべんやクソの噺って私は苦手なので、あまり聴きたくないのだが。好きな人って多いのかな。

 柳家三三は、8日前にも聴いた『元犬』。仲入り後のトークショウで、桃太郎が『元犬』はつまらない噺だと思っていたが、三三のは面白いと発言ていた。私も同感。それに対して三三は、この噺は隅田川馬石のものが面白かったので、馬石に習ったとのこと。な〜るほど、そういえば私も馬石の『元犬』は面白いと思ったことがある。三三はあれを土台にして、さらに改良を加えたらしい。口入屋さんが人間になったシロに褌を締めさせたり、帯を締めさせたりするたびに、銜えたり、唸ったり、グルグル回ったり、最後はお手という騒がしさ。おそらく今まで演じられてきた『元犬』のなかでも、もっとも人間になり切っていない、ほとんど犬のままな『元犬』かもしれない。あとに上がった喬太郎が「古典落語史上類を見ない斬新なオチ」と表現した、三三独自のオチも面白いなぁ。

 「のめる、勘定板、元犬。今日は前座勉強会ですか」と柳家喬太郎。ここは古典の大ネタで〆ると思わせておいて、東京の地下鉄のマクラから『純情日記 渋谷編』に入るあたりが喬太郎らしい。今回は男が「パルコが無い〜!」と泣き出す。渋谷の街も刻々と変化していく。この先も「〜が無い〜!」は、いくつも出てくるんだろうなぁ。

 仲入り後は三人のトークショウ。ここでも桃太郎の爆弾発言が続く。「ネットには書かないでください。書くともうこういう話は、もうできなくなるから」ということなので、書けない。だけど面白かったなぁ。

4月9日記

静かなお喋り 4月8日

静かなお喋り

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