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客席放浪記

Kと三K、ミニ落語とミニライヴ

2017年7月27日
代官山・晴れたら空に豆まいて

 落語協会の落語家三人で作るバンド、三K辰文舎のライヴに柳家喬太郎が加わるという企画。

 まずは落語家だから、落語も聴かせる。演者はみんなもう後半のライヴに心は行ってしまっているようだが。アハハハハ。

 柳家喬太郎は二席。一席目は『綿医者』。使い物にならなくなった患者の内臓を取り出し、代わりに綿を詰めるという奇想天外な古典落語だが、喬太郎にかかると、いかにも現代的。これを実に楽しそうに演るから、グロい噺なのに気持ち悪さはどこかにすっ飛んでしまって、楽しく笑えるものになっている。

 柳家小せん『お血脈』の導入部分を語りだしたが、持ち時間が少ないらしく、『お血脈』の本筋部分の手前で切って高座を下りた。

 と、次に上がった入船縦扇辰が、リレーの形で『お血脈』本筋部分。石川五右衛門が、扇橋がよく歌っていた『タコの歌』と、喬太郎の『東京ホテトル音頭』を歌うというサービス入り。

 橘家文蔵『ちはやふる』。なんかやりたい放題の『ちはや』だなぁ。おからを女乞食にあげない竜田川。その女乞食千早太夫は嫌な女だからという理由。某女性落語家の名前を出して、「あんな嫌な女にあげたくないだろ!」。ひぇ〜、危ない危ない。

 『ちはやふる』のあとに喬太郎の二席目。ということは、ひょっとすると出るぞ、あの『オトミ酸』が、と期待していたらやってくれました。もう前に聴いたのは十何年も前。なかなか聴けない噺だからうれしかった。『お富さん』の歌詞の意味をでたらめに作り上げるこの噺、喬太郎もしばらく演っていなかったらしくて、途中入れ忘れた部分があって、後から気が付くという始末。もっと頻繁にかけて欲しいな〜。

 後半は、三K辰文舎のライヴ。6曲+アンコール4曲という、なんともアンバランスな構成。アハハハハ。
 この人たちは結局フォークがやりたいんだね。『イムジン河』とか、サイモンとガーファンクルの Feeling Groovy とか。あるいはある歌手の『〇〇〇の世界』を、そっくりいただいて『イナバの世界』にして某落語家の歌にしちゃったり。もっともそのあとで演った曲もパクッた人の曲で、これだってGFRの『ハートブレイカー』のバクりなんだけどね。
 アンコールでは喬太郎も出てきて、『さらば恋人』やら『木綿のハンカチーフ』やら。やっぱり喬太郎は歌謡曲が好きみたい。

7月28日記

静かなお喋り 7月27日

静かなお喋り

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