男子!レッツラゴン(男子はだまってなさいよ!) 2015年8月5日 下北沢・本多劇場 うわーっ、あまりにもバカすぎて、ほとんど何も頭に残ってない。演劇コントユニット、男子はだまってなさいよ!が『天才バカボン』に続いて赤塚不二夫作品を舞台化。「見た後に何も残さないバカ」を目指しているといっても、これは凄い、凄すぎる。 主役のゴンにロックバンド、黒猫チェルシーの渡辺大知。おやじ役が猫のホテルの中村まこと。ベラマッチャに荒川良々。あとの出演者は、いわゆる役者は皆無。スチャダラパーのANI。バッファロー吾郎のバッファロー吾郎A。ラバーガールのふたり。シソンヌのふたりという、主にお笑い畑のコント師たち。それが赤塚不二夫のシュールで不思議な世界をそのまま舞台にしている。もうまったくバカとしか言いようがない、わけわかんない世界がずーっと続いて行く。もうここには演劇なんていうものの、なにか高尚ものをやっているんだという気取りは微塵もない。大人が何の恥じらいもなくバカに徹した姿をさらしている。これがこの作品への最大の褒め言葉だろうし、赤塚不二夫も、男子はだまってなさいよ!も、それを目指していたんだろうと思う。 いくつものエピソードが現れては消えていく。赤塚不二夫の原作をどこまで使ったかわからないが、おそらくかなりオリジナルのものなんじゃないかと思う。だって突然、レッツラコセン版マッドマックスが始まってしまったりする。しかもなぜかミュージカル仕立て。かと思うと寄生獣が出てきたり村上春樹が出てきたり。 いったい何が舞台の上で起こっていたのか、ほとんど断片的なことしか思い出せない。それでいいのかもしれない。「それでいいのだー」。今回も、男子はだまってなさいよ!というユニット名なのに男しか出ていない。荒川良々がほかの出演者の唇を奪うという場面があり、あの顔で本気になってやるものだから、出演者たちは逃げ回っておりました。アハハハ。 8月6日記 静かなお喋り 8月5日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |