窓に映るエレジー 2014年8月6日 CBGKシブゲキ 大倉孝二、ブルー&スカイによる演劇コンビネーション、ジョンソン&ジャクソンの第一回公演。その千秋楽。 この劇場に入るのは初めて。以前は映画館だったところ。開演前にロバート・ジョンソンのブルースが流されていた。定刻ちょうどに客電が消え、ロバート・ジョンソンの音楽が一際大きくなって始まった。列車の中、ボックスシートに池田成志がひとりで座っている。そこに古いギターを持った盲目の男(大倉孝二)がやってきて向かい側に座る。そして池田に向ってクロスロードの伝説の話を始める。そのあとギターを弾きながら、歌を歌いだすのだが、それが・・・。こりゃ、ブルースをテーマにした芝居なのか? と期待が高まったのだが、そういうことではなかった。 この冒頭のシーンはちょっとしたコント仕立てになっていて、そのあともバラバラのコントのようなものが続いていくので、これは演劇系のコント集のようなものなのかと思った。それがそのうちに、バラバラだったコントが少しずつ関連づけられていって、単発のコントに思えていたものの一部が、その続きが挿入されるようになり、あれあれと思っているうちに終盤になると、話が繋がってきて、ひとつのストーリーが完成して行く。ジグソーパズルの断片が、カチッカチッとはまっていくと、ひとつの絵が完成するかのよう。そしてそのひとつひとつの断片はコントのようになっているという仕掛け。このコントのようなものが、どんなものか説明しようとすると、これが難しい。書いてみたところで、その面白さは伝わりようがないだろう。これは大倉孝二、池田成志、池谷のぶえ、村岡希美といった、上手い役者がいてのこと。下手な役者がやったんではどっちらけになってしまいそう。 途中で意味不明のように流れていたビデオの意味が、最後の断片として入った時、この芝居のやりたかったことが、はっきり見える。そして、池田成志の最後の台詞は、皮肉で重い意味が込められている。 なんか、どうでもいいくだらないことをやる芝居と見せかけておいて、最後にこれだもんなぁ。観終って、改めて、この芝居の何でもないようなタイトルを眺めてみたら、ようやくその意味がわかって、「やられた」と感じた。 8月7日記 静かなお喋り 8月6日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |